怠惰なゆっくり

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諸々のアウトプット(アフィなし)

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【レビュー】Android QをOnePlus 6に入れて遊んでみる

前置きはすっ飛ばして、折角Developer Previewが用意されているので手持ちのOnePlus 6にAndroid Qを入れてみました。

 

Android Q Developer Previewのインストール

 

OnePlus 6、6TへのDeveloper Previewのインストールは引くほど簡単です。

 

nerrorist.hatenablog.jp

↑参考

 

OnePlusの公式フォーラム(https://forums.oneplus.com/threads/android-q-developer-preview-2-for-oneplus-6-6t.1054690/ )から自分の端末に合ったROMをDLします。

今回は6月14日に出たばかりのOP6向けDeveloper Preview 2をDLしました。

後はアップデートしたい端末で

設定→ソフトウェアアップデート→ローカルアップデート

、DLしたベータ版のROMを選択してローカルアップデートするだけです。

お気付きかとは思いますが、普通にOTAROMを手動アップデートする手順と何も変わりません。

お手軽ですねえ…。

 

Android Qとの遭遇

 

再起動とデータフォーマットが済んで、無事Android Qが起動しました。

 

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確実にAndroid Qで起動しているのですが、バージョンを連打するとまだPが表示されます(笑)

 

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公式フォーラムによれば既知の不具合はこんな感じらしいですが、正直これ以上にあります。

まだまだベータ版なので仕方ないですね。

 

新機能を試してみる

早速(ユーザーレベルで)遊べる新機能を見てみます。

 

ダークテーマ

有機ELや夜間の視認性などの理由で最近流行のダークテーマ。

QではAndroid OSとしては初めてOSレベルでダークテーマを実装しています。

早速ユーザー補助→テーマからダークテーマに切り替えます(以前と階層が違って探し出すのに一苦労しました)。

なお、少なくともDP2ではOxygen OSが独自に実装していたダークモードは見当たりませんでした。

 

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黒くなった! …か?

この辺り最適化がまだまだのようで、黒さ具合は割とまちまちです。

スクリーンショットの時刻がめちゃくちゃですが大目に見てください。

 

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Quick Settingはこんな感じになってしまいました。

再起動しても治らなかったので、DP2の時点のダークテーマはイマイチ使いようが無いという事らしいです。

OSでダークテーマを指定すると独自にダークテーマに対応しているアプリ(Google PhotoやKeep等)も自動的にダークテーマになるのは便利ですが、SamsungのOneUIなども同じ仕様なので目新しさは感じません。

ただ、Qさえ搭載すればどのメーカーのスマートフォンでも便利なダークテーマが使えるのは嬉しいですね。

 

※以下点滅注意※

 

 

 

 

ただ、やはりダークテーマ周りが最もバグが多いようで、ダークテーマ中にナビゲーションバーを変更したり設定アプリを開いたりするとこんな状態になります。

残念ですが、ひとまずライトテーマに戻しました。

 

新ナビゲーションバー

Android Pieで刷新されたデフォルトナビゲーションバーですが、Qでは更に変更が加えられています。

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1枚目がPieのナビゲーションバー、2枚目がQの新ナビゲーションバーです。

Qでは見た目、操作性共によりX以降のiPhoneに近いバーになりました。

バーを上にスワイプで「ホーム」、スワイプ&ホールドで「アプリ履歴」、画面の両サイドからスワイプで「戻る」、バーを左右にスワイプで「アプリ切り替え」と、iPhoneとXiaomiのナビゲーションジェスチャーの間の子のような仕様です。

 

 

 実際に動かしてみました。

 

アプリ切り替えはよりiPhoneに近づき、かなり直感的に切り替えられます。

一方でアプリ履歴は開くと自動的に一つ前のタスクにフォーカスが切り替わるようになりました。

OneUIの標準タスクもこの仕様なんですが、アプリ履歴を開くのは今開いているアプリを終了させるためだったりすることがままあるので、お節介感が否めず不快です。

 

また、両サイドからのスワイプで戻る仕様は個人的には片手操作がしやすくなって大歓迎です。

が、旧来の3ボタン式バー、Pieのピルボタン式バーでも堅持されて来た「戻るボタン」をデフォルトで無くそうという試みは結構挑戦的なので、保守派のユーザーから受け入れられるかは微妙かもしれません。

実際に僕も慣れるまではバーの左右からスワイプアップしてしまい(Oxygen OSに搭載されているジェスチャーだとこれで「戻る」)、間違えてアプリ履歴を開くことがありました。

 

ちなみにナビゲーションバーも切り替えると画面が点滅して操作不能になります。

これは都度再起動でどうにかなりました。

 

その他

 

 

アプリの権限等許可を求めるポップアップはiOSライクな見た目になり、内容も明瞭になりました。

アプリ起動中のみ位置情報へのアクセスを許可するオプションは、セキュリティとバッテリー消費両方の観点から有効だと思います。

 

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Wi-FiQRコードを発行して簡単にシェア出来るようになっています。

毎回PWを教えるのはセキュリティ低いですし、そこまで親しくない人にも気兼ねなく自宅のWi-Fiを貸してあげられますね。

当然ではありますが、QRコードを読み取る側はQである必要はないのでPieだろうがiPhoneだろうが共有可能です。

これはね、便利。

 

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OSアップデートの度に頻繁に手が加えられている通知周りも、より詳細に設定できるようになりました。

Pieの頃からそうですが、メーカーに封じられてなければかなり詳細に通知周りを設定できるので便利です。

 

まあ、Pieに戻しますが

エンドユーザーとしてはナビゲーションバーの大幅な変更を除けばマイナーチェンジ感が否めませんが、これまでと変わらない操作感でOSを乗り換えられるのはいいですね。

着実にPieより便利になっている部分が大きいので、バグさえ無くなれば魅力的だと思います。

普通に遊ぶにはバグが多すぎるので僕はPieに戻します…。

 

おしまい。

 

※ここに記載した内容は全てOxygen OSのDeveloper Previewのお話なので、Pixel等他端末ではまた異なるかと思います。ご注意下さい。



 

【実機レビュー】 床から生えてきたGalaxy S10をいじる

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いつもの箱

 

生えてきてしまった以上は仕方がないので開封していきます。

 

 

どうも海外版のようです。

AKGイヤホンと3穴式プラグ、透明ケースが付属しています。

型番はG973F/DSだったので、Snapdragon 855ではなくExynos 9820モデルです。

どうせならSDM855を試したい所でしたが…まあExynosに触るのは初めてなので良しとします。

 

 

全面には最低限のTPUフィルム、背面にも保護用のフィルムが貼られていましたが、側面にもフィルムが貼られている厳重っぷりでした。

Samsungの未開封品は初めてなんですが、全部こんなにしっかりしてるんでしょうか。

 

 

立派なパンチホールですねえ。

ノッチよりは確かに面積が小さいですが、正直50歩100歩で好みの問題かと思います。

個人的には結構シンプルで好きです。

 

 

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可変絞りによってF値1.5とF値2.4を切り替えます

 

S9まで、無印モデルは単眼カメラだったのですが、S10とS10+でリアカメラに差はありません。

12MP広角、16MP超広角、12MP望遠のトリプルカメラに加え、デフォルトとなる広角レンズにはしっかり機械式絞りも付いています。

カメラについてはそのうち撮り比べたいとは思うのですが…。

 

 

このダサすぎるUIは何代経てもどうにもならんのでしょうか。

半角カナが気になって気になって、これだけのせいで言語を英語に設定したいくらいです。

カメラはほんの少し触れただけですが機能自体はとても楽しい予感がしています。

作例が出来たら更新します。

 

 

指紋認証は画面内、世界初の超音波式で高速・高精度を謳います。

謳うのですが…私は手がカッッッッッッッッッサカサでして、これが全然通りません。

Oneplus6の背面指紋認証ですら冬場は全然認証してくれないくらいだったので、まあむべなるかな…という所ですが…。

指紋認証が可能なエリアは思いの外広く、光学式センサーと違って画面が一切点灯していない状態でもスキャンが可能なので、指が湿っている方なら使い勝手はいいはずです。

 

と、ここまで触っていて気がついたのですが、このサイズ感に覚えがあります。

つい最近同じような大きさの端末を拾ったような…。
 

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Pixel 3aでした。

サイズ感を比較すると、

 

Pixel 3a … 5.6インチ 151.3×70.1×7.6mm 147g

(Oneplus 6 … 6.2インチ 155.7×75.4×7.75mm 177g)

Xperia X Performance …5インチ 144×71×8.6mm 165g)

Galaxy S10 … 6.1インチ 149.9×70.4×7.8mm 157g

 

おおよそこんな感じ。

Pixel3aより10g重いものの寸法はほぼ同じで、手にも馴染むわけです。

Xperiaを比較対象に入れたのは手元にあるうちで一番小さいスマホだったからなんですが、こう見ると縦幅以外は別にコンパクトでもないな…という気持ちにさせられます。

これだけ小さい筐体にテクノロジーの粋を凝縮しているGalaxy S10には素直に驚嘆します。

157gという重さも絶妙で、ガジェットのオタクはよく重てえスマホを褒める際の常套句として「画面サイズから受けるイメージよりは軽い」と言いがちですが、S10については重くもなく、かと言ってチープなほど軽くもない丁度いい仕上がりになっています。

 

 

折角なので、手持ちのスマホで画面を比べてみました。

上段:Pixel 3a

中段:Galaxy S10

下段:OnePlus 6

です。

全て輝度は最大で同じ動画を再生した状態で撮影しています。

 

 どうでもいいんですが、Xperia XPで撮影した2枚目の写真が何度やっても明度ぶち壊れで笑ってしまいました。

筐体サイズは変わらないPixel 3aとGalaxy S10ですが、画面サイズにおいては大きな差があることが分かります。

 OnePlus6のノッチよりはパンチホールの方が違和感がない気がしますが、まあやっぱり好みの問題ですね。

 

ちなみにGalaxy S10はステレオスピーカーで、かつDolby Atmosに対応しています。

Pixel 3(無印)と異なり2つのスピーカーが正しく前面に配置されているわけではなく、下部スピーカーは底面にあります。

が、手で塞ぎさえしなければかなりバランス良く立体感のある音が聞こえます。

モノラルのOnePlus 6から来たせいもありますが、やっぱりステレオスピーカーはいいですねえ。

 

 

初Exynos端末ということでAntutuを走らせてみました。

 

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2枚目はiOS端末

2019年3月時点でのAntutu Benchmarkランキング(https://www.antutu.com/en/ranking/rank1.htm)です。

なお、一応解説しておくとGalaxy S10シリーズは発売地域により搭載SoCが異なり、香港、日本等ではSnapdragon 855を搭載した「G9730」モデル、その他の地域では「G973F」モデルが販売されています。

 

Exynos9820搭載のGalaxy S10としてはかなり妥当なスコアと言えそうですが、Snapdragon 855搭載のものと比べるとそれなりに開きがありますね。

ちなみになんですが、セットアップ時もベンチマーク中もGalaxy S10はかなり発熱していました。

OnePlus 6のSDM845が発熱少なめなのもありますが、相当気になるレベルの発熱だったので、SDM搭載の同端末と比べると「ハズレ」感があるのは否めません。

製造プロセスも遂にExynos9820から8nmとなり、同世代のライバルハイエンドSoC「Snapdragon 855」、「Kirin 980」、「A12 Bionic」の7nmプロセスに一歩遅れている状態です。

Samsungにも意地があるのは分かりますが、明確にExynosモデルがハズレになりつつある以上、いい加減Galaxy SシリーズというハイエンドラインにExynosを無理やり載せようとするのはやめた方がいい気がします。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=shrYnaxVenE

ExnosモデルとSDMモデルの電池持ちを比較した動画もありました。

まあ、国内キャリア版はSDM搭載なので心配ありませんが、SIMフリー版を購入する場合は注意が必要だと思います。

 

 

まとめ

年々高価になってきているGalaxy Sシリーズですが、S10についてはその値段に見合った素晴らしいガジェットに仕上がっていると思います。

GalaxyはAndroidの中でもソフトウェア、ハードウェア共癖がかなり強いシリーズですが、その癖と値段を受け入れられれば現状出ている端末の中でも最良の選択肢に近いかもしれません。

私の場合は地面から生えてきたので文句ありません。

しばらくメイン使用してみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ  なぜ今Galaxy S10を買ったか。

 

去年発売直後にOnePlus 6を購入し、1年近くメインのスマートフォンとして使用し続けてきました。

素晴らしいハードウェアとソフトウェアで大変に満足していたのですが、不満が

・でかい 重い

・カメラが素晴らしい…というほどではない

・スピーカーがモノラル

・AODが無い

・何でもいいからスマホが買いたい

・でかくて重い

 と、致命的ではないのですがちょくちょくありました。

同じSoCのスマートフォンはあまり買いたくないのでOnePlus6Tは見送り、OnePlus7 Proの発表を心待ちにしていたのですが、蓋を開けてみると…

 

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6.67インチ 162.6 x 76 x 8.8mm 206g

OnePlus 6よりデカくて重くなってました。

ステレオスピーカーだったりポップアップカメラだったりと進化はしているのですが、価格設定もそれなりに上がり、無意味なカーブエッジ(しかもアールがかなり緩い!)と、手放しで購入する気にはなりませんでした。

 

色々検討したんですが、どうせならハードウェアの進化を感じたかったので陳腐なモデルはあまり買う気が起きませんでした(じゃあ買うな)。

そんなこんなで、「ステレオスピーカー」「パンチホール」「カメラが良い」「(割と)コンパクト」「画面内指紋認証」と揃ったGalaxy S10を購入した訳です(+はデカいので却下)。

 

Galaxy端末共通の欠点としては、

・ソフトウェアの癖が強い

・UIがダサい

・背面がだっっっっっっさい

・ソフトウェアアップデートがおっっっっっそい

と主にソフトウェア面が挙げられます。

特にアップデートの遅さは筋金入りで、既存端末のAndroid 9.0へのアップデートが始まったのは2019年に入ってからです。

が、そう言った点はソフトウェア面が充実しているOnePlus 6でカバーして、メインでコンパクトなGalaxy S10を使えばいいかあと思った次第です。

OnePlus 6をメインで使っていた時からカスタムROMを入れたりなんだりしていたのですが、正直メイン端末でそれをするのはリスキー過ぎたのでむしろ丁度いいという所もあります。

 

と、こんな言い訳でスマホを買いました。

背面がダサいのはもうどうしようも無いですが、それ以外は結構気に入っている(One UI含め)ので、少なくともPixel 4まではこれをメインで行こうと思います。

 

 

おしまい

【レビュー】 衝動買いの「NUARL NT01AX」と「Zolo Liberty」をガジェット的に比較する

スマホからイヤホン端子が消失し始めて幾星霜、既に有線イヤホンからワイヤレスイヤホンに切り替えた方も多いでしょう。

特にネックバンドも存在しない完全ワイヤレスイヤホンは非常に便利な反面、中華メーカーが大量に参入していることもあって、Amazonなんかは玉石混淆もここに極まれりといった様相を呈しています。

しかしながら、完全ワイヤレスの黎明期が過ぎ段々と定番と呼べるモデル、メーカーも固まってきました。

今回購入したのはその内の一つ、15,000~20,000円台では定番と呼ばれる、「NUARL NT01AX」です。

 

折角なので以前まで外出用に使用していた「Zolo Liberty(初代)」と比較レビューをしていこうかと思うのですが、生憎と僕はそこまで良い耳をしている訳でもなく、そもそも「NT01AX」の音質レビューはもっと優れたものが巷に溢れています。

そんな訳なので、今回のレビューは音質についてはそこそこに、どちらかというとガジェット的所有感なんかを中心に触れていきます。

「ちょっと良い完全ワイヤレスに興味はあるけど、ぶっちゃけ音質とかあんまりよく分からんのよな」くらいの方(ほぼ僕)向けです。

また、比較とか言っていますが「Zolo」は1万円しない2年前の完全ワイヤレスなので、どっちがいいか、という比較ではなく単に相対的な指標にするだけです。

 

 

外観

 

NT01AXの箱画像
NA01AX本体画像

 

つい最近新色のブラックが登場したばかりですが、今回購入したのは昔からあるブラックゴールド。

パッケージの画像は黒よりですが、実物を見れば分かる通りかなりゴールドです(通称カナブン)。

とは言っても、ピッカピカの下品な金という訳ではなく、磨き抜いた銅のような高級感があります。

 

NT01AXの画像

 

なんだか微妙に画像が汚くて恐縮ですが、高級感はあります。

 

NT01AXとZolo Liberty


横に「Zolo Liberty」を置いてみました。

「Zolo」がぽてっとしているせいもありますが、特にケースについては非常にスリムに仕上がっています。

 

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それでいて、バッテリーでの充電込みの駆動時間はZoloより遥かに長くなっているのがすごい(後述)。

 

 

性能

音質

 

本当はここが一番重要なんでしょうが、前述の通り僕は音を評価出来るほどの耳を持った人間(耳ソムリエと勝手に呼んでいます)ではないので、ふんわりした事しか言えませんが…かなり良い感じだと思います。

「Zolo」で非常に目立ったホワイトノイズはかなり抑えられ、再生停止時にはほとんど無音に切り替わるのでストレスはありません。

手元の「Shure SE215」(有線)と聴き比べてみましたが、高音については「NT01AX」の方が伸びやかに思えました(繰り返しますが、素人が適当なことを言っているだけです)。

少なくとも、「Zolo」にあったような「完全ワイヤレスだから多少は仕方ない」と妥協する必要の全く無い、完成度の高い仕上がりです。

 

再生時間

 

「NT01AX」の大きな売りの一つが、Qualcommの最新イヤホン向けSoC「QCC3026」を搭載していることです。

「QCC3026」の強みは接続性の強化や音質向上など色々あるのですが、今の所一番享受しやすいのは消費電力の大幅な削減

その削減っぷりや凄まじく、「NT01AX」はイヤホン単体で最大10時間、ケースによる充電込みで最大35時間の連続再生が可能と公式は謳います。

参考までに他有名ワイヤレスイヤホンの公称値と比較してみましょう。

  • 初代Air Pods(2016) … 単体5時間、ケース込み24時間
  • Air Pods(2019) … 再生時間は変化無し(通話は伸びています)
  • Zolo Liberty(初代・2017)… 単体3.5時間、ケース込み24時間

と、「NT01AX」のタフっぷりが良く分かるかと思います。

通常の使用でバッテリーが切れることはまず無いでしょう。

 

接続性とか遅延とかその他

 

書いといてなんですが、田舎に住んでいるのでBluetoothが飛びまくっているような環境ではまだ使用出来ていません…。

カタログスペック的には切断にも強そうですが、試せたらそのうちアップデートします。

 

遅延については、驚くほど少ないです。

親機がaptxに対応していれば(消費電力は増えますが)かなり低遅延な体験が出来そうです。

 

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接続時に出てくるトーストも誇らしげ

流石にリズムゲームなんかは厳しいですが、YoutubeNetflixではほぼ遅延を感じません。

勿論アプリや親機の性能にも依存するので一概には言えませんが、少なくとも黎明期の完全ワイヤレスとは雲泥の差です。

 

また、IPX4(水しぶきくらいなら余裕)の防水性能を備えているので、小雨や運動中の使用にも余裕で耐えてくれるでしょう。別に試しませんが……。

 

ユーザビリティも概ね満足です。

ペアリングは非常に単純で、初回以降はケースから取り出すだけで済むのはもちろん、ボタン操作も分かりやすいです。

ただ一点、「音量↑が右ボタン2回押し」「音量↓が右ボタン3度押し」と煩雑なのが気になりますが、そもそもイヤホン単体で音量を変更できる完全ワイヤレスイヤホン自体が結構稀なので、致し方ないのかなーとも思います。

 

 

微妙なところ

 

ここまで業者か?というほど「NT01AX」を褒めてきましたが、無論自分の身銭を切って購入した商品なので不満な点もあります。

まずは、フィッティング

と言っても、これについては自分に合ったイヤーピースを探せという話ですね。

耳が小さい方なので付属のイヤーピースでは結構耳が痛くなります。

…が、momentumや65tと異なり、イヤホンそのものはコンパクトな部類なので、イヤピさえ自分に合ったものを付ければ解消されると思います。

 

続いて、これがほとんど唯一にして大きな不満なのですが、ケースの仕上がりがかなり微妙です。

 

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ちょい上でケースのコンパクトさを絶賛しておいて何をといった所ですが、「小さく」「軽い」ところがかなりチープさを出しており、2万円ほどするイヤホンの容れ物としてはちゃっちいと言わざるを得ません。

「Zolo」のケースが大きいのは内蔵の磁石が影響しているのですが、この磁石によりケースの開け閉めがしっかり吸着する上、イヤホンも磁石でぴたっと吸い付くように元の場所へ収まります。

一方、磁石を内蔵していない「NT01AX」のケースは、前面にあるボタンをプッシュすることで蓋をオープンします。

また、イヤホンをケースにしまう際は、押し込んでも特に手応えはなく、「そろそろかな?」と思ったところで上蓋をぐにゃりと被せる形になります。

イヤーループが標準装備な事もあり、「Zolo」の感覚に慣れていると本当にこれで正しいのか…?と不安になる感触でした。

また、充電端子がType-Bなのも僕としては残念です。

まだType-Bを要求される機会が多いとは言え、数年先まで使う可能性を考えるとそろそろType-Cにして欲しかった…。

 

要するに?

 

買いです。

2万円前後でこんなクオリティの完全ワイヤレスイヤホンが手に入るとは…。

初完全ワイヤレスイヤホンにはコストパフォーマンスと必要十分な性能から「Zolo Liberty」シリーズを推してやまない僕ですが、そこからのアップグレードには我ながら最適だなあと感じました。

Type-B端子の出番が一切無くなるその日まで使い倒せそうな出来でした。

 

 

おわり。

 

【第5夜】MWC2019で発表されそうなスマホたち

来る2月25日から4日間、スペインはバルセロナで開催されるMWC(Mobile World Congress)2019。

一年で一番大量にスマホが発表される見逃せないイベントですが、如何せん膨大な数のメーカーが出展するので、今回特に注目の集まるメーカー及び製品をいくつか紹介します。

なお、記事中の画像等は「個人的に」最も確度の高い予想レンダリングを使用したりするので、鵜呑みにされないようご注意下さい。

 

 

SONY Xperia XZ4

 

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予想レンダリング

 

日本のコンシューマーとして見逃せないのはやはりXperiaの次期フラッグシップ「Xperia XZ4(仮称)」です。

上記の画像はあくまでリーク情報のCADデータを元に作られたものですが、リーク元の @Onleaks は非常に正確なレンダリング画像をリークすることに定評があり、恐らくはこの通りの製品が出てくることが予想されます。

画面のアスペクト比は21:9になり、いきなりトリプルカメラを搭載するなど、かなり最近のトレンドに追従したモデルになるようです。

なお、SONYはこの他にも「Xperia XA3」「XA3 Ultra」「Xperia L3」を発表する見込みです(例年であればこれらロー~ミッドレンジモデルは1月のCESで発表するのですが、今年は発表されなかったのでMWCでの発表になるものと思われます)。

実際の発売がいつになるかは分かりませんが、かなり期待できそうです。

 

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Samsung Galaxy S10

 

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SamsungはMWC2019で毎年Galaxy Sシリーズの新機種を発表しています。

Samsungほどの企業規模になると致し方ないのですが、既にリーク情報が巷に溢れており、ほぼ最新機種のS10シリーズの全貌も丸裸にされています。

それによれば、今年発表されるGalaxy Sシリーズは3モデル。

(比較的)廉価版の「S10 lite」、スタンダードモデルの「S10」、プレミアムモデルとなり、背面にはトリプルカメラ、全面にもデュアルカメラ、そして5G通信に対応するとされる「S10+」です。

特徴的なのはノッチではなく画面内に穴を開けてインカメラを配置する「パンチホール」ディスプレイ。

今年も端末価格は相当上がると予想されていますが、果たしてS10シリーズは下降傾向にあるSamsungスマートフォン事業を救う起爆剤となるでしょうか。

 

 

 

Huawei P30 

 

 

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MWC2018でトリプルカメラの「P20 pro」を発表し2018年の業界トレンドを決定づけたHuaweiは、今回その後継機種のP30シリーズを発表します。

上記の画像はXperia XZ4同様かなり確度の高いもので、これによれば指紋認証は背面から画面内へ、そしてノッチはかなり小型化することが分かります。

また、上記画像は「P30」の予想レンダリングですが、「P30pro」はクアッドカメラになるとの予測もあり、スマートフォンのインフレがどこまで進むかも見ものです。

 

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世界で初めて4カメラを搭載した「Galaxy A9」

 

Nokia Nokia 9 PureView

 

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カメラ数のインフレと言えば、「Nokia9」も外せないでしょう。

リーク情報が出始めた当初は「冗談」あるいは、「技術検証モデル」だと思われていた5眼レンズのスマートフォンがまもなく登場します。

正確にはMWCでの発表が確定しているわけではないのですが、1月中に発表がなかったので恐らくMWC2019で発表されるものと思われます。

なお、この5眼レンズは撮影シーンに合わせてどれかのレンズを使うのではなく、5つのカメラが「同時に」撮影を行うとのことで、一体どんな写真が撮れるのか楽しみで仕方ありません。

 

 

Vivo APEX2019

 

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「APEX 2019」は実は既に発表されており、MWC2019で実機が展示されます。

このスマホがそのまま製品化されるわけではなく、「APEX 2019」はあくまでコンセプトモデルとし、後々これを基とした製品が開発されるものです。

 

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初代APEX(左) NEX(右)

去年展示された初代APEXは、モーターでにゅっと生えてくる前面カメラを搭載し、その年のうちに実際に製品化されました。

 

今年の「APEX」は「シームレス」というコンセプトで開発され、イヤホンジャックはもちろんの事、電源・音量ボタン、スピーカー、マイク穴、USBポート、SIMカードスロット、前面カメラといった、およそ現代のスマートフォンの標準装備と言える一切がありません。

音量・電源はセンサースイッチ、スピーカーは画面の振動によって代用され、USBポートは背面のマグネット及びQiで対応、SIMカードはeSIMにのみ対応し、前面カメラに至ってはそもそも考慮していないという割り切りぶりです。

また、ディスプレイのどこをタッチしても指紋認証が可能になっています。

あくまでコンセプトモデルではありますが、近未来を垣間見ることが出来そうです。

 

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Meizu Zero

 

なお、同じようなコンセプトのモデルを中国のMeizuが既に発表しており、こちらはマイク穴のみ空いているものの、既に購入が可能です(クラウドファンディングかつ100台限定ですが…)。

 

 

LG G8

 

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LG G8については外見やスペックといった情報があまり出てきていません。

 

www.youtube.com

 

ただし、公式動画より実際に画面に触れず、ジェスチャーによって操作をすることが可能になると示唆されています。

LGの製品はこの所AIやソフトウェアを何とか全面に押し出そうとしているような感があるので、そろそろこの辺りで大当たりの製品を出してもらいたいところです。

 

 

OPPO 光学10倍ズーム

 

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正確にはスマートフォンでもなんでも無いのですが、スマートフォンに搭載するカメラ技術をOPPOがMWCで展示します。

これは、潜望鏡のような構造により非常に小さいユニットで光学10倍ズームを可能にするもので、実際の製品への搭載は未定ではあるものの実際にこれを搭載した製品が発表されれば業界のゲームチェンジャーとなり得る技術です。

OPPOは日本でも「FIND X」といった製品を発売した実績があるので、期待が持たれます。

 

ASUS ZenFone 6

 

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プロトタイプ実機のリーク動画キャプチャ

 

ZenFone6については情報がかなり乏しく(世界的な注目度の問題です)、実際にどのようなモデルが発表されるかは不透明です。

しかし、去年流出したとされるZenFone6のプロトタイプはノッチをかなり特徴的な位置に配置し、背面カメラはトリプルという仕様でした。

同様にインカメラを中央からずらして配置するアプローチはGalaxy S10シリーズでも取られるようですが、これは結構気になるような気もします。

 

 

 

以上、いくつかのメーカーをピックアップしてみました。

とりあえず、今年のMWCのトレンドは「5G」と「カメラ」、そして「フォルダブル(折りたたみ)」でおおよそ間違いないでしょう。

上のまとめには含んでいませんが、SamsungHuaweiOPPO、LGといった各有力メーカーがMWC2019で何らかのフォルダブル関係の展示を出してくるのは確実です。

実際に発表されるまで何も確実なことは分からないので、答え合わせのような感覚でMWC2019を楽しみにしておきたいところです。

【Magisk】幼児でも分かるandroidデバイスの「正しい」root化手順

以前、Oneplus6にカスタムROMを導入する記事を書きましたが、今回はそれよりも初心者向けの記事になります。

分かりやすくするためにかなり長くなってしまいましたが、お付き合い下さい。

 

nerrorist.hatenablog.jp

 

まず、大前提として国内キャリア端末(キャリア版XperiaAQUOSなど)はrootを取れません

「root化 アプリ」などと検索すると山程root化出来ると騙るアプリが出てきますが、そのほとんどは個人情報や広告料目当ての偽アプリ、あるいはごく一部の端末でのみrootが取れる専用アプリになります。

一昔前まではキャリア版XperiaAQUOS富士通端末で仮rootを取れたりすることもありましたが、ここ数年の端末では不可能です。

もしも仮rootが取れる端末を持っていたとしても、正しい意味で「OSの脆弱性を突く」方法なので、全くおすすめしません。

root化と聞くと怪しい響きがあるかもしれませんが、iOSの脱獄と違って正しい手順を踏んでのroot化は安全かつ公式に認められた手法です(メーカーの保証からは外れますが)。

脆弱性を突くくらいなら諦めてadbコマンドで満足するか、海外のスマートフォンを買いましょう。

前置きはこれくらいにして、実際の手順に入ります。

 

なお、言うまでもありませんが全て自己責任の元行って下さい。

 

準備

 

root化に必要な準備です。

書いてある順に行って下さい。

 

ADB環境の構築

 

PC側にADB環境を構築します。

詳細はこちらをどうぞ。

 

nerrorist.hatenablog.jp

 

Boot loader unlock (BLU)

 

これが今回一番複雑な部分です。

ブートローダーというのはスマートフォンの電源を入れた時、androidOSを起動するプログラムで、root化の為にはこれにかかったロックを解除する必要があります。

 

国内キャリア端末がroot化出来ないのは、このブートローダーアンロックの方法がメーカーから提供されていないためです。

基本的にはメーカーが用意するものなので、端末によってアンロックの手法も異なります。

例えばXiaomi端末の場合はこちらのページから端末ごとにBLUの申請をする必要があります(詳細な手順は「Xiaomi BLU」などと検索してみて下さい)。

申請にかかる時間は端末によってまちまちで、物によっては1ヶ月かかることもあるため、root化前提のユーザーはXiaomiを敬遠していたりもします。

 

という訳でBLUの可否及び手順はそれぞれの機種名、あるいはメーカー名で検索して下さい。

ここでは、最もシンプルなPixel、EssentialPhone、Oneplusといったモデルの例を紹介します(画像はOneplus6)。

なお、Pixel3についてはsimフリー版はBLU出来ますが、キャリアから発売されたモデルは不可能なようです。持っていないので断言は出来ませんが…。

 

STEP
バックアップ
端末のデータを必要な分バックアップ(この後全てのデータが消えますので、悔いのないようにしましょう)。
STEP
開発者向けオプション有効化

開発者向けオプションからOEMロック解除、USBデバッグにチェック

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STEP
fastbootモード

fastbootモードを起動

これも端末によりますが、一度電源を落として「電源キー+音量キー上」、もしくは「電源キー+音量キー下」の長押しで入れます。

もしくは、adb環境を構築したPCとUSBケーブルで接続してコマンドプロンプトから adb reboot boot loader と打ち込めば一発です。

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OP6のfastboot画面です。

これはBLU済みの画像ですので、現時点では一番下がlockedになっているかと思います。

STEP
OEMアンロック

fastbootモードを起動したままadb環境を構築したPCとUSBケーブルで接続し、コマンドプロンプトから fastboot oem unlock を入力します。

端末の方で確認ダイアログが開きますので、音量キーと電源ボタンで操作し、「YES」を選択。

自動的に全てのデータが消去され、再起動します。

これでBLUは完了です。

今後電源を入り切りする度に5秒間警告画面が出ますが、これは仕様ですのでご心配なく。

BLUを検知して動作を停止するアプリはほぼ存在しないので、海外端末を買ったらroot化の予定に関わらずBLUまではしておくといいかもしれません(サポートから外れる点には注意して下さい)。

 

必要なファイルのダウンロード

 

カスタムリカバリ TWRPをダウンロードします。

 

twrp.me

 

こちらから自分の端末のものを探してダウンロードします。

ただし、端末ごとに不具合が出る場合があるので、念の為「機種名 TWRP」で検索してみた方がいいかもしれません。

例えば今回のOneplus6の場合は上記の公式TWRPだとエラーが出るので、フォークしたblu_sparkバージョンを使用します。

.imgファイル.zipファイルが入っていますが、.imgファイルは「PCのcドライブ直下にTWRPというフォルダを作ってその中へ」.zipファイルは「スマートフォンストレージの分かりやすい所に分かりやすいフォルダ(英語名)を作ってその中へ」入れて下さい。

解凍の必要はありません。

 

もう一つ、Magiskをダウンロードしておきます。

https://forum.xda-developers.com/apps/magisk/official-magisk-v7-universal-systemless-t3473445

これは一昔前のSuperSUと同様のもので、root化の要となります。

.zipと.apkをスマートフォンのストレージの分かりやすい所に入れます。

 

以上で準備は終了です。

 

 

実際の作業

 

TWRPの導入

 

BLU、上記必要ファイルのダウンロードが終わった所から始めます。

 

1.開発者向けオプションからUSBデバッグを有効化

2.fastbootモードに入る

3. コマンドプロンプトから[PC]に入れた『TWRPの.imgファイル』を実行。

手順としては、cドライブ直下にTWRPの.imgファイルを入れたフォルダを作成して、そのフォルダをShift+右クリックすることでPowerShellコマンドプロンプト)を開くのが楽です。

そうして開いたコマンドプロンプトで念のため adb devices を入力してから fastboot boot -.img を入力しましょう。

「-.img」の部分はDLした.imgファイルの名前をそのまま入力して下さい。

バージョンによって異なるので今回は記載しません。

4. 自動的に再起動の後TWRPが起動

5. Installメニューから事前に端末に入れておいたTWRPの.zipファイルを選択し、インストール

6. 再起動することで、今後はリカバリーモードを選択するとTWRPが起動するようになる

 

Magiskの導入(root化)

 

1.リカバリーモードに入る

電源キー+音量下長押しで大体は入れます。

もしくは adb reboot recovery

2.TWRPが起動します。

3.Installから端末に入れたMagiskの.zipファイルを選択し、インストール

4.reboot

5.端末に入れた.apkファイルからアプリをインストールする事で、Magiskが扱えるようになります。

 

この時点でroot化は完了しています。

 

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インストールしたMagisk Managerを開いて、このような画面になっていれば成功です。

 

 

root化後のあれこれ

 

一応、初めてroot化する方向けにMagiskの使い方なども書いておきます。

 

Magisk Hide

 

ひとまず、このままではGoogle PayやPokemon GOFGOといったroot化を検知して動作を停止するアプリが使えないので対策を行います。

Magisk Managerの設定から「Magisk Hide」にチェック(Managerの名前がリネームされます)。

その後、ややこしいですがハンバーガーボタンにあるもう一つの「Magisk Hide」からroot化を隠したい対象のアプリを選択します。

 

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ダークテーマを適用しています

 このroot検出とMagisk Hideはかなりいたちごっこなので、セキュリティアップデートで起動しなくなったりすることもままあります。

まあ、本当に必要なアプリが起動しなくなった場合は非root化すればいいので気楽に行きましょう。

 

おすすめアプリ/モジュール

 

Magiskにはモジュールという機能があり、システムに触れることなく様々な機能を試せます。

この辺りは一番楽しいところなので自分でXDAを漁ったりするのがいいとは思いますが、最低限だけ折角なら入れておいたほうが良いものを紹介します。

 

・Titanium Backup

play.google.com

 

有名なバックアップアプリで、通常のバックアップとは異なりアプリの設定からOSの設定まで丸々バックアップを取れます。

スマートフォンで遊んでいると度々データを消去することになるので、これでバックアップを取ってPCに保存しておくことで毎回同じ環境を楽に復元出来ます。

これについては有料版を買うことをおすすめします。

 

・ViPER4Android

https://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=2191223

 

V4Aは非常に細かく設定を弄ることが出来るオーディオエンハンサーアプリです。

有名所だと他にDolbyなどがありますが、こちらの方が現状安定して使えます。

但し、一部のアプリなどでは音割れが発生することがあるので、適宜調整が必要です。

 

Android Mic Fix

https://forum.xda-developers.com/apps/magisk/module-oneplus-one-bacon-mic-fix-t3503128

 

これはMagiskモジュールなので、インストールして再起動すればそれだけで有効化されます。

スマートフォンのマイクを最適化し、「OK Google」や通話時のマイクのパフォーマンスを向上してくれます。

 

 

まだまだモジュールもアプリもありますので、こういった基本的なものを足がかりに色々試してみて下さい。

もちろん、リスクが伴う事もしっかり認識しましょう。

15秒でWindowsにADB環境を構築する

androidを弄ろうと思った時、必ずと言っていいほど必要になるのが「Android Debug Bridge」(ADB)環境です。

ADB環境を構築する記事は世に溢れているので書かないでおこうと思ったのですが、本記事の中でちょくちょくadbコマンドに触れることがあるので一応扱っておきます。

本来ADBはandroid開発者向けパッケージの一部で、環境を構築するにはPCの環境変数を変更したりといった作業が必要なのですが、海外の有志がはちゃめちゃに簡単にADB環境を構築出来るツールを作成してくれているので、今回は素直にこれを利用します。

 

 

準備

 

・PCに15 seconds ADB Installerをダウンロード

https://forum.xda-developers.com/showthread.php?p=48915118#post48915118

こちらのXDAスレッドからlatestファイルをダウンロードします。

 

 

実際の作業

 

1.ダウンロードした.exeファイルを管理者権限で実行

2.全部次へでおわり

 

以前にもADB環境を構築した事がある方は拍子抜けでしょうが、これできちんとADB環境が構築されます。

一応確認してみましょう。

 

お使いのスマートフォンの開発者向けオプションから「USBデバッグ」を有効化。

 

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PCとUSBケーブルで接続して、コマンドプロンプトから adb devices

正しくADB環境が構築されていればこんな感じの値が帰ってきます。

 

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ちなみにfastbootコマンドもきちんと動きます。

Netflix 『ブラックミラー:バンダースナッチ』ネタバレ無しレビュー あるいは、ゲームの再定義

※この記事では物語の中身的なレビューはなるべく避けますが、最初はまっさらな状態で楽しむのが良いと思いますので未視聴の方はご注意下さい

あと、フローチャートとかは載せてないので攻略が必要な方は他をあたって下さい。

 

 

『ブラックミラー:バンダースナッチ』という映画

 

映画、と書いたが、このバンダースナッチという作品が果たして映画かどうか、人によって意見が分かれる所だ。

 

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このNetflixオリジナル作品は、こんな注意喚起から始まる。

ストーリーの要所要所で字幕の欄に選択肢が現れ、任意の選択肢をクリックすることで展開が変わる、と言うのだ。

 

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最初の選択肢

 

選択肢は結構な数が用意されていて、視聴者の選択に応じてシームレスに物語が展開していく。

選択による映像の中断や乱れ、無理のある繋ぎなどは(視聴環境にもよるだろうが)ほぼなく、スムーズな体験が可能だ。

こういった視聴者参加型の作品はNetflixでは一応前例があったらしいが、このシステムを主軸に置いた作品は初めての試みである。

 

ひとまず、この作品そのものの感想を述べておくなら、『ブラックミラー』シリーズらしい、中々後味の悪い、それでいて完成度の高い映像だと思う。

特別面白い訳ではないが、退屈な訳でもない、時間があるなら観る価値はある――そんな作品だ。

――『バンダースナッチ』が普通の映画ならば、の話だが。

『バンダースナッチ』の中身そのものの感想はこれくらいに留めて、本題に移る。

 

『バンダースナッチ』の成立

 

『バンダースナッチ』が成立したのは、ひとえにNetflixというプラットフォームありきなのは間違いない。

従来の劇場で上映する前提の映画で、選択肢に合わせて物語が変化する作品が成立するはずもなく、「家で」「少人数で」「自由に」「PC/スマホ/タブレットで」映画を視聴する、そんな21世紀のプラットフォームでしか出来ない企画だっただろう。

ところで、そんな普通の劇場で上映出来ない『バンダースナッチ』は、本当に「映画」と呼んでいいのだろうか?

 

この『バンダースナッチ』の概要を聞いて、オタクの皆さんは確実に何らかのADV(アドベンチャーゲーム)をイメージしたことと思う。

 

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僕のバイブル、『そして明日の世界より

思い浮かべたゲームが何であれ構わない。

Kanon』でも『サナララ』でも『ひぐらし』でも『シュタゲ』でも『yu-no』でも、話題になった『ドキドキ文芸部』でも『Fate』でも、なんなら『FGO』でもいいのだが、要するに『バンダースナッチ』のこのシステム自体は斬新でも何でもなく、むしろ古から存在する陳腐なものなのである。

 

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『街 ~運命の交差点~』

中にはこんなゲームまである。

実写の渋谷を舞台に、サウンドノベル形式でゲームが展開する『街 ~運命の交差点~』は、正に「プレイする小説」というのが正しいだろう。 

ところで「プレイする小説」と言えば、根強い人気を誇るゲームブックは外せない。

 

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そもそも『ブラックミラー:バンダースナッチ』自体、謎のゲームブック『Bandersnatch』をゲーム化しようとする物語なので、『バンダースナッチ』との関わりが一番大きいのはゲームブックだろう。

『バンダースナッチ』のエンディングの一つに「ゲームブック『Bandersnatch』をゲーム化したPCゲーム版『Bandersnatch』をリメイクしてNetflixで『ブラックミラー:バンダースナッチ』を作成しようとする女性エンド」という果てしなくややこしいものがある以上、『バンダースナッチ』を製作したNetflixの意図は「ゲームブックの映像化」という所で間違いないと思われる。

 

「実写版ゲームブック」は映画か、ゲームか

 

『バンダースナッチ』が「動画」であるのは間違いない。

しかし、この作品を観た後「いい映画だった」となるのか、「いいゲームだった」という感想を持つべきなのか。

 

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『バンダースナッチ』の視聴を止め、最初から再生しようとするとこんな事を聞かれる ――セーブデータが消えますが、大丈夫ですか?

実際、この作品はかなりゲーム的だ。

選択肢を選べる時間はシーンによって異なり、視聴者を焦らせてきたり、あるいはメタ的な視点の選択を迫られる事もある。

ストーリーは激しく分岐し、全てのエンディングを観るには「周回プレイ」が必須である。

 

一方、間違いなくゲームでありながら『バンダースナッチ』よりゲーム的でないゲームもある。

 

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『September 1999』プレイ画面

これまたつい最近話題になった『September 1999』は、STEAMで配信されているフリーゲームだ(びっくりホラーじゃない&面白いのでやってみて下さい)。

 

store.steampowered.com

 

プレイヤーは不気味な家に放り込まれ、何も分からないまま家の中を探索する。

プレイヤーに出来るのは移動とカメラを動かす事のみで、ゲーム自体はプレイヤーの意志に関わりなく、勝手に進行していく。

 

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映像は最近流行のVHS調で、ほぼ実写同様の高クオリティだ。

ところで、ストーリーに介入出来ない実写同様の映像というのは、果たしてゲームと呼べるのだろうか。

『September 1999』の場合、WASDとマウスで操作するFPS然としたゲームとなっているのだが、それは殆どカメラを置く位置を自由に変えられる程度の意味合いしか持たない。

 

『September 1999』と『ブラックミラー:バンダースナッチ』を単純に体験として比較するならば、後者の方がよりゲーム的なのは疑いない。

しかし、実際には『September 1999』はゲームとしてSTEAMで、『バンダースナッチ』は映画としてNetflixで配信されている。

 

この両者の違いはどこにあるのだろうか。

 

拡散するゲーム

 

まあ、多分違いは無いんだろうなと思う。

三目並べの『Bertie the Brain』に始まったビデオゲームは、数十年の熟成を経て今ある形にある意味落ち着いたが、それはあくまで「何だかんだビデオゲームってこういうもんだよね」という曖昧なものに過ぎず、誰かが「これがビデオゲームです」と明確に定義したものではない。

大衆が「これはゲームだ」と判断すればそれがゲームになる――そんな現代の怪異みたいな話がしたい訳では無いのだが、つまる所Netflixは『バンダースナッチ』という新しいゲームを世に送り出したに過ぎないと、とりあえずそういうことを書いておきたい。

案外Netflixを舞台にどこかのインディーゲーム会社がゲーム映画を配信して、数年後のGOTYで紹介されたりするのかもしれない。

正直、『バンダースナッチ』が完璧な「ゲームブック・ムービー」だったとは僕には思えないが、誰も試していなかった事に挑んだのは大きいだろう。

世界最大の動画配信プラットフォームを持つのみならず、自ら莫大な投資をしてオリジナル作品を製作するNetflixだからこその挑戦は受け入れられるべきだ。

 

という訳で、皆『ブラックミラー:バンダースナッチ』観てね。

もう観た人は、はてブで思わせぶりなエントリーを書きまくろう!

 

 

以上です。