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【実機レビュー】天井から伸びてきたXperia1を弄ってみる

先日GalaxyS10が床から生えてきたばかりですが、次はXperia1が天井から伸びてきました。

nerrorist.hatenablog.jp

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天井から伸びてきただけあってかなり縦長です。
横にはOneplus6の箱を置いてみました。

見ての通り国内キャリア(au)版です。
Xperia1はグローバル版ならばROM128GBバージョンがありますが、国内キャリア版はROMが64GBのみになります。
キャリア版をグローバル版と簡単に比較するとこんな感じ。

…まあ、おサイフケータイを使わない人ならキャリア版を選ぶ理由はほとんどありません。
今回はどうしてもおサイフケータイが欲しかったのでキャリア版を購入……生やしました。

本当に久しぶりのキャリア端末なのでテンションが逆に上がります。
めちゃくちゃに少ない付属品も、その分かなり分厚い取説も侘び寂びを感じます。
中華端末のようにイヤホン、充電ケーブル/ポート、保護シート、保護カバーとあれこれ付けちゃうと、その分キャリアがショップで販売できるものが減るので仕方ないですね!!

…にしても、Type-Cケーブルくらい付けろよとは思いますが。

キャリアへの悪口はこれくらいにして、スマホそのものを見ていきます。

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いやあ、見事な縦長です。
色はオタクグレー(オタクなので)です。
光加減によっては結構青っぽくも見えます。
指紋は付きやすいですが、かなり綺麗な仕上げです。
横には随分前に使っていたXperia X Performanceを置いてみました。

Xperia1 Xperia XP Oneplus6 Pixel 3a
6.5インチ 5.0インチ 6.2インチ 5.6インチ
167x72x8.2 144x71x8.6 155.7x75.4x7.75 151.3x70.1x7.6
180g 165g 177g 147g

数値上の寸法比較はざっくりこんな感じ。 画面比率が16:9、18:9、21:9のモデルが混在しているので画面サイズは参考程度ですが、Xperia1はスマートフォンとしてギリギリの画面サイズを実現していることが分かります。
非常にのっぽなXperia1ですが、ホールド感は悪くありません。
縦長でバランスが悪いということもなく、片手操作もある程度なら可能です。

Xperia1とOneplus6で同じ動画を再生してみました。
撮影しているXperiaXPの性能に問題がありますが、実際には両方とももう少し綺麗です。
ノッチもパンチホールも無いのはいいもんです。

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上がOneplus6、下がXperia1です。
どちらもナイトモードを切って、デフォルトのキャリブレーションに設定しています(Xperia1についてはクリエイターモードではありません)。
Oneplus6はかなり暖色寄り、Xperia1は寒色で出ています。 また、16:9の動画を再生すると(写真1枚目)、当然ではありますが小さめになります。

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ついでに4:3エヴァンゲリオンと、21:9のジョン・ウィックも比較しました。
ちなみに、Netflixを起動するとXperia1は自動的にクリエイターモードに切り替わります。
感動を覚えるほどではありませんが、ステレオスピーカーも相まってかなり快適な視聴環境と言えそうです。

指紋認証はサイドに戻っています。
画面内指紋認証がトレンドではありますが、側面指紋認証も画面を極力広げるソリューションの一つとして、Galaxy S10eやHuawei Honor 20、MOTOROLAなどで採用されています(というか、Xperiaはどうして一瞬背面に浮気したのか…)。
従来のように電源ボタンとの一体型ではありませんが、タッチするだけで一気にホームまで飛びますし、認証精度・速度とも下手な画面内指紋認証より優れているので、特に不満はありません。

さて、Xperia1はXperiaとして初めてトリプルカメラを搭載した機種でもあります。
これまで単眼カメラに固執し、唯一の複眼機であるXperia XZ2 Premiumも、まあ………という出来だったXperiaシリーズですが、突然のトリプルカメラはどんな仕上がりでしょうか。

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上から広角、超広角(歪み補正あり)、広角・低照度。

結論から言ってしまうと、「悪くはないけどすごく良くもない」です。
トリプルカメラの内訳はすべて12MPの広角、超広角、2倍光学望遠ですが、画質はどれも「まあ普通」止まり。
今までのXperiaはカメラがかなり微妙だったので、それだけでも進歩といえば進歩…とはいえ、10万超えのスマホとしては物足りないのも事実です。
かなり卑怯な夜間撮影もしましたが、他フラッグシップのように「夜間撮影モード」という明示的なモードが無いので、何とかオートモードで低照度を出した結果でもあります。

ただし、繰り返すようですが写りは悪くありません。

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背景ボケはこれまで写真を2枚撮影してそれっぽくボカしていましたが、Xperia1ではしっかり被写界深度を測定してボカしています。
ただし、ボケ撮影の際は望遠レンズを使用するので、かなーーーり画角が狭くなります。
背景ボケで画角狭くなる問題は複眼スマホには付き物ですが、Galaxy S10などでは超広角レンズを使用して上手い事画角を広げたりもしているので、ここはもう一工夫欲しかったところです。
個人的に、ここまで極端に画角が狭くなるスマホはPixel 3aくらいしか知りません。

というか、カメラについては画質どうこう以前の問題がいくつか見られます。
まず、一枚撮影する度に入る処理時間。
これが日中の撮影でも大体0.5秒は入り、その間操作は不可能なので、実質連写は不可能です。
また、連続しての撮影中はプチフリーズもよく起こります。

連続とは言っても、たった4,5枚の撮影でこんな状態になられては流石に実用性に欠けるというもの。
もう少しソフトウェア面での安定性を確保してほしいものです。

また、フォーカスも極端に遅く、フォーカスしたい場所をタップしても反映されるのは3回に1回程度。
連続しての撮影では更にフォーカスの精度が下がります。
その上、なんと超広角撮影ではタッチしてのフォーカスが出来ない模様。 精度の低いオートフォーカスに全てを預けることになります。

スマートフォンのカメラの画質向上もかなりの所まで来ていますが、「スマホカメラ」にまず求められるのは、撮りたいと思ったタイミングでさっと手軽な撮影が出来ることでしょう。
画質面ではまだまだデジタルカメラに及びませんが、その携帯性と利便性においてスマホカメラは重宝される訳です。
しかし、書類を複数枚記録撮影することすらままならない現状のソフトウェアでは、残念ながらXperia1のカメラは画質を議論出来る域にも達していないと考えます。

antutuを走らせてみました。
Snapdragon855端末としてはかなり低く、以前テストしたExynos搭載Galaxy S10(333933点)にも負けています。
ただし、CPU、GPU性能はSDM855として平均的なところですがメモリー関連の点数がかなり低いので、SoCがどうとか排熱がどうではなく、単にメモリについてケチっているだけでしょう。
RAMも6GBなので、そう考えるとこの結果は妥当です。

電池持ちはまだ何とも言えません。
無印GalaxyS10よりは保つように思いますが、もう少し使って追記します。

まとめ

妙に辛口風になってしまいましたが、全体的にはとても気に入っています。
一見すると21:9ディスプレイは変態機にも思えますが、使ってみると割とすぐに慣れ、むしろスマートフォンとしては快適に感じられました。
私は18:9からの引っ越しでしたが、16:9の機種から乗り換えた方なんかは病みつきになりかねないスタイリッシュさです。

そのスタイリッシュさも、キャリアモデルはクソすぎるキャリアアプリで壊滅的ですが…。
初回の起動でこれって、どうなんですほんと。

Galaxyと違ってOSが純正に近いので迷うことが少ないのも良いです。
Xperiaは毎年、SoCだけがハイエンドな微妙な(自称)フラッグシップモデルを出し続けていましたが、ようやっとXperia1がフラッグシップと名乗る事の出来る水準に達したかなと思います。
まだまだ詰めが甘い部分は散見されますが、最後の国産スマートフォンとして矜持を見せて欲しいものです。

あと、キャリアは本当にクソ。