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【実機レビュー】Jelly2が届いたけど何に使おうね?

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去年の7月辺りにKickStarterで支援していたJelly2が先日到着した。

国内版は税関のゴタゴタで到着が遅れていたので、無事に届いて良かった。

 

一応販売元のUnihertzについて紹介しておくと、とにかく変態なスマホが大好きで連絡がこまめ、そんな会社である。

 

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Unihertz社の過去製品

KickStarter慣れしている会社なので多少の遅延があっても不安は無かった。

 

 

Jelly2は 95*49.4*16.5mmという無二のサイズ感を誇る極小スマホだ。

Unihertz社にとってJelly2は極小スマホの2世代目に当たるわけだが、前身のJelly(初代)については「世界最小の4Gスマホ」としてまあまあ話題になったものの、スペックとデザイン面で不満が目立つ機種だった。

 

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先代モデル Jelly Pro

SIMの入れ替えには背面のプラスチックパネルを外さなくてはならない(そのお陰でバッテリーパックの交換が可能という利点もある)。

92.4*43*13mm、約60.4gという超小型の筐体に2.45インチの画面を搭載。国内版は技適を取得した上で販売された。

一方のJelly2はこんな感じ。

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スペック表

このブログを読んでくれている人がどれくらいスペック表に興味があるかは不明だが、様式美なので公式サイトのものをそのまま貼っておく。

さて、このスペック表だが、明らかに目につく点がいくつかある。

まず約1.65cmという先代からかなり増した厚み。そしてこの筐体サイズにして2000mAhというかなり大きなバッテリー容量だ。先代モデルは950mAhだったので、2倍以上の増加になる。

厚さ、重さの増加はこのバッテリー容量の影響が大きいだろう。とはいえ、このクラスの小型スマホはある程度厚みがあった方がグリップが容易になる側面もあるので、偏に改悪と断ずることは出来ない。電池保ちは顕著に改善されており、個人的には歓迎したい判断だ。

また、SoCには2018年に登場したMediatekのミドルレンジチップ、Helio P60を搭載し、6GBのRAMと128GBのROMを備える。特にRAM/ROMについてはかなり充実しており、サイズ感を抜きにした普通のミドルレンジスマホとしても、2021年初頭の基準はクリアしていると言える。

 

そして何より特筆すべきは国内版モデルがFelicaを搭載しているという点だ。

大体のスマートフォンは決済用にNFC A/Bを備えるが、国内決済の「おサイフケータイ」はFelicaチップでしか実行出来ない。

Felicaの搭載には株式会社フェリカネットワークスとのあれこれや、おサイフケータイ規格のあれこれ、その他のあれこれなど認証に関する煩雑な手続きと追加費用が必要になるとされ、国内で正規販売されているスマホであっても一般的にはキャリアで販売するモデルとiPhoneくらいしかFelicaを搭載することはない。

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Xiaomiの国内モデル

例えば、国内での販路拡大に熱意を燃やしているXiaomiを見ても、キャリア取り扱いのある機種も含めFelicaを搭載した実績は今の所無い。

Felica搭載(おサイフケータイ)というセールスポイントを追加するよりも、低価格高性能というブランディングを優先するためだろうが、つまり海外のスマートフォンメーカーがFelicaを搭載するというのはこれほどまでに重たい決断なのである。

正直、Unihertzが国内モデルのJelly2にFelicaを搭載したところで、Felica搭載のための手間や予算に見合う売上向上は見込めないのではないか。技適認証を取ってくれるだけでも本来は御の字なのだ。

国内モデルは支援当時グローバルモデルに上乗せで20ドルが必要であったが、たったの追加20ドルで世界最小のFelica搭載スマホが手に入るのは大きい。

Unihertzの日本市場に対する本気の姿勢を応援するべく、179ドル(159ドル+日本向けローカライズ20ドル)の本製品を諸手を挙げて支援するに至った。

 

実機

 

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長い長い前置きを経て、Jelly2の実機を見ていこう。

 

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箱の時点でiPhone12 miniよりはるかに小さい。もちろん充電器もケーブルも保護ケースも、本体をストラップ化するための紐(!)も入っている。

 

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背面には16MPの単眼カメラと指紋認証センサーを搭載し、パネルの質感も大幅に向上した。Felicaの搭載位置を示すマークが眩しい。

バックパネルを外して挿入する必要のあったSIMは一般的なトレイ形式となり、利便性が向上した。

ちなみにオレンジ色の目立つ物理キーは任意のショートカットを起動するプログラマブルキーで、電源キーは上の地味なやつである。私はそれに気が付かず2分ほどプログラマブルキーを長押ししていた。

背面の指紋認証はそれなりに高速なものの、筐体自体が小さいためJelly2を保持したまま人差し指を押し付けるのが少し難しい。後述する顔認証と組み合わせると良いと思われる。

 

f:id:lutenist314:20210115135555j:plain比較のため、奥にiPhone12 mini(厚さ7.4mm)を置いた。

特筆すべきは、Type-Cの充電口が下側ではなく本体側面にある点。左側面はシーソー型の音量ボタンのみだが、右側面は電源キー・プログラマブルキー・SIMトレイ・充電口と盛り沢山である。

ちなみに上部にはイヤホンジャックと赤外線送信機、下部にはマイク穴とスピーカー穴を備える。

美しい見た目ではあるが、とにかく指紋が付きやすい仕上げなので純正の保護ケースを付けて使用した方がいいだろう。見た目は退屈になるものの、幸運なことに握りやすさにはほとんど影響しない。

ただし私の手持ちのType-Cケーブルだと純正ケースと干渉を起こし、充電中にケーブルが抜けやすくなってしまった為、場合によっては全裸での使用もやむを得ないかもしれない。

 

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セットアップを終えると、明らかに「和」を意識した初期壁紙が出現した。

間違いなく国内モデル向けローカライズの一環だろう。とことん好感が持てる。

 

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セットアップ中はこんな感じ。iPhone12 miniは今一度miniの意味を自らに問い直してほしい。

QWERTYキーボードの入力は正直かなり厳しいが、まあ無理という程ではない。…いや、人によっては無理かも。

とはいえ、フリック入力ベースならかなり誤入力は減るだろう。

おま環の可能性もあるが、Wifiに接続しようとしたところ5GHzを正常に掴まず、セットアップは全て2.4GHzで行った。

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2枚目はOnePlus6で撮影 BelkinのMagSafeに対応したいいやつです
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2枚目はiPhone12 mini なんの写真だこれ

背面の16MPカメラについては全く期待していなかったが、明るい環境であれば拍子抜けなほど普通に撮影できる。記録用のカメラとしては筐体の小ささも相まって便利だろう。

また、前面の8MPカメラを使用した顔認証にも対応している。背面の指紋認証を使用するよりかなり高速な上、画面サイズ的にPINの入力も難しいので便利だ。

 

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1-3枚目 プリインアプリ 3枚目 SmartLauncher

プリインアプリはシンプルで、機能的なアプリが集められている(後述)。

初期ホームランチャーとして「QuickStep」という必要最低限のアプリが用意されているが、このサイズ感ならバブル型の方が使いやすいと感じたのでSmartLauncherに既定のホームアプリを変更した。

しかし、スリープを解除する度に一旦QuickStepのホームが表示されてしまい、ホームボタンを再度押してやっと既定のランチャーのホーム画面が表示される状態に。QuickStepはアンインストール出来ないため、試しに設定から強制終了してみると正常にSmartLauncherが起動するようになった。再起動して以降も同様にSmartLauncherが起動するので、ホームアプリ関連で悩んでいる人はとりあえずQuickStepを強制終了してみるといいかもしれない。

 

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Jelly2はまっさらに近いandroid 10を搭載しているが、一部独自機能もある。

概ねプログラマブルキーに関連する部分だが、普通に便利だ。

 

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プログラマブルキーは単押し、二度押し、長押しにそれぞれ機能を設定出来る。何故かフラッシュライトの点灯は長押しのみにしか設定出来ないという制約があったものの、任意のアプリとそのショートカットを設定可能なので、そこまで気にしなくてもいいかもしれない。

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また、タフネススマホを手掛けていたUnihertzらしく、便利そうな機能を集めたツールボックスなるアプリも用意されている。

特に背面カメラを使って心拍数を測定する機能は面白かった。測定するにはカメラを指で塞ぎ続ける必要があるので実用的ではないが、一発芸としては楽しめる。

その他のツールアプリについても精度はともかくそれなりには使えそうだ。

 

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赤外線送信機を利用して家電のリモコン代わりに使える。サイズ感的にも使いやすそうだとは思うが、生憎我が家のテレビがぶっ壊れているので試すことが出来なかった。

 

さて、何に使おう?

 

ツールボックスアプリや赤外線機能、Felicaの搭載、そしてデュアルSIMトレイなどを見るに、UnihertzとしてのJelly2の位置づけは「コンパクトで多機能なビジネス用サブ機種」と言ったところだろうか?

Webサイトの閲覧は結構厳しいし、LINEなどのメッセージアプリも閲覧/送信こそ可能なものの常用は難しく、Jelly2をメインスマホとするのは考えにくい。

とはいえ、折角の世界最小Felica搭載スマホなので決済用としてだけでも持ち歩きたいものだ。

しかし、今私が契約しているのはメイン端末用のLINEモバイルと、カーナビ端末用の楽天モバイルのみなので、Jelly2に入れるSIMが無い。

テザリングで必要な時だけ通信させてもいいけど、その手間を挟む前にiPhoneでモバイル決済した方が早いしな…という身も蓋もない思いから、暫く我が家のJelly2は放置されることになりそうだ。

 

Felicaを搭載していない海外スマホをメインとして使う際には、Suicaやクレジットカードを持ち歩く気分で決済用に持ち歩いてみたいと思う。

また、複数の電話番号を使い分ける必要がある人にとっては、iPhoneを2台持ちしたりするよりもかさばりにくいかもしれない。

とにかく、Jelly2を通してUnihertzの丁寧なモノづくりに触れられて良かった。クラウドファンディングのリターンではあるものの、Unihertzの誠実な対応もあってAliexpressでスマホを購入するより快適だった。

 

そんなJelly2だが、今はCAMPFIREで購入出来る。

KickStarterよりも日本人にとって敷居が低いと思うので、興味があれば是非検討してみてほしい(アフィじゃないよ)。

camp-fire.jp

 

2021/09/13 追記

Jelly2の国内での正式取り扱いが開始した。

AmazonSIMフリーを購入できる他、なんとOCN等一部MVNOキャリアでも購入できる。すごい時代だと思う。

www.amazon.co.jp

※信じてもらえないかもしれないけど、これもアフィじゃないよ

 

おわり。