はじめに
キワモノプロダクトの一種に過ぎなかった折りたたみスマホ(フォルダブル)も、最近は極々まれに常用している人を電車で見かけるくらいには人口に膾炙してきたように思います。 秋にAppleから折りたたみiPhoneが出れば、ますますその風潮は加速するでしょう。
そんな折りたたみスマホを牽引してきた立役者の一社であるSamsungから、折りたたみiPhoneで噂される横長フォームファクタを先取りする形で発売されたのが、Galaxy Z Fold8です。
Galaxy Z Fold8|Samsung公式サイト
日本国内で正式販売されている(横折り型)折りたたみスマホとしてはSamsungのGalaxy Z Fold、GoogleのPixel Fold、OppoのFind Nなどいくつか選択肢があり、多くが折りたたんだときに縦長になる形状を採用しています 。
縦長折りたたみスマホ|Galaxy Z Fold8 Ultra|Samsung公式サイト
縦長折りたたみスマホ|Pixel 10 Pro Fold|Google公式サイト
これはやはり折った状態で”ふつうのスマホ”として使えることに重点を置き、オプションとして開いた状態の大画面を提供する、という価値観によるものでしょう。
一方で秋のiPhone Fold(仮称)で噂されている形状はいわゆる”パスポート型” 、閉じた状態の縦横比が16:10、開いた状態が4:3になるものです。
スマホの画面は時代が進むにつれて縦型になってきた歴史があるので、ある意味先祖返りとも言えるかもしれません。 まだスマホにホームボタンがあった時代の標準的な縦横比が16:9で、これだって今見るとかなりでっぷりしている感じがあるので、16:10の外画面は現在の端末と見比べれば相当横長に感じられるでしょう。
iPhone6|Apple公式サイト
それでもトレンドに逆らって折りたたみスマホを16:10/4:3にするメリットとして、開いたときに縦横比が4:3になり、綺麗な縦横比でタブレット的な使い方がしやすいこと……と言われていますが、
そうか?
縦長折りたたみスマホを横持ちしたら同じなんじゃないか?
そう思わないか?
と思ったので、Galaxy Z Fold8(以下Z Fold8)を買って確かめたいと思います(アフィなし)。
なお、この記事は一般スマホユーザーが横長フォルダブルって本当に使いやすいの?という話をするのがメインなので、詳細なスペックやカメラの検証は出てきません。 正確な検証が気になる方は適切なテック系Youtuberを観てください。
開封・ファーストインプレッション
とりあえず届いたZ Fold8を開けた様子です。 特筆すべきことは別にないですが、新品を開けたときのこの匂いは何度嗅いでもいいものですね。
第一印象としては、とにかく小さい です。 横に一般的な文庫本を置いてみると一目瞭然の小ささ。
パスポートサイズとは聞いていましたが、”スマホ”として見るとそのコンパクトさがさらに際立ちます。
閉じた状態で手に持ってみると、201gという軽さのおかげで非常に持ちやすく、収まりもいいです。
これまではGalaxy Z Fold6を使っていたのですが、 世代を経た薄型化や開き心地の改善のお陰もあって、製品としての触り心地がものすごくいい です。 角に丸みがあって手のひらに刺さらなくなっていたり、指紋認証を兼ねる電源ボタンが一般的な電源ボタンの触り心地に近かったり、全体的に気持ちいい感触が意識されている気がします。
←Z Fold8|Z Fold6→
しかし、Z Fold6から乗り換えると本当に薄いですねえ。 Z Fold6でもそんなに厚みは感じていなかったんですが、一回この薄さを体験するともう戻れる気がしません。 これでもフォルダブルの中では最薄レベルではないのは理解していますが、特に開いた状態ではこれ以上薄くなったら強度が不安になりそうなくらい、十分すぎる薄さです。
総合的に、持った時の感触が大変気持ちよく、見慣れないアスペクト比ではあるものの異質感やガジェガジェした引っ掛かりが特にない、日常に馴染みやすい端末 だと思います。
……というところまでがZ Fold8単体としてのファーストインプレッションですが、そろそろ本題である、「次世代折りたたみスマホのアスペクト比」とされているこの形状は実は使いにくいのでは? という仮説の検証へ進みましょう。
検証: 縦長スマホじゃダメなの?
ここでは、私の手持ちであるiPhone 16Pro(メイン)、Galaxy Z Fold6(サブ)とZ Fold8を比較し、パスポート型フォルダブルの価値を探していきます。
なお、私はGalaxy Z Fold7をスキップしているので、Z Fold6と8を主に比較します。そのため、Z Fold7で施された改善(薄型化など)もZ Fold8の要素として取り上げる点ご容赦ください。 純粋な縦型vsパスポート型の比較をしたいならばZ Fold8 Ultraも買わなくてはいけないですが、そんなことは私には出来ません……。
とりあえずZ Fold6と8を並べてみると、コンセプトの違いがよく分かります。 特に閉じた状態が顕著で、Z Fold6は22.1:9 と極端な縦長、Z Fold8は16:10 と極端な横長なので、本当に兄弟機か?と疑いたくなる見た目です。
一方で、開いた状態は結構似通っている気がしませんか?
開いた状態の正位置が縦長/横長という違いはありますが、回転させてしまえば同じ使い心地になりそうな気がしてきます。とすると、カバー画面がこんなに横長である意味はあるのかが気になるところ。
というわけで、カバー画面とメイン画面それぞれについて使い勝手を見ていきましょう。
カバー画面|想像よりずっといい感じ
まず、閉じた状態でカバー画面を使った場合。
前述のとおり、Z Fold8の閉じた状態は持つだけならば かなり持ちやすいです。
片手モードにしたGboardを使用
文字入力については、片側に寄せたキーボードでも割と苦労するかな。
とはいえ、男性の中では手が小さい方な私でも片手入力自体は出来るので、ある程度手が大きい方ならば特に問題はないかもしれません。 また、両手でスマホを持つ形での入力はかなりアクセスしやすく、フリックではなくQWERTYキーボードでの入力も現実的な幅になるので、使い方次第で一般的なスマホより文字入力しやすい、というユーザーもいるかもしれません。
また、従来型の縦長スマホが幅の狭さのお陰で握り込みやすいのは事実なのですが、それはそれで問題があり……。
縦長な分、重量バランスが上部に傾いて実重量以上に重たく感じるんですよね。 その点、Z Fold8はそもそも縦の長さが短く、重心が上部に偏らないので、手に持った時の収まりは圧倒的にパスポート型が優れています。
しかし、持ちやすいのはいいとして横長カバー画面で”ふつうのスマホ”として使えるのか? というのが、パスポート型を購入する上で最も気になるところ。 特に、WebブラウジングやSNS、生成AIなど、昨今のコンテンツの多くは縦にスクロールするものが中心 です(だからこそ縦長画面が主流になった訳で)。 果たして横長パスポート型ではどんな体験になるのでしょうか。
左からZ Fold6/Z Fold8/iPhone 16Pro
とりあえずTwitterを表示してみました(表示サイズは最小に設定)。 当然と言えば当然ですが、表示されるツイート数としては最も縦長なZ Fold6が有利そうです。
一方で、思ったよりはZ Fold8も健闘しているかな、というのが正直なところ。 画像などメディアが大きく表示される分、意外と悪くないかもしれません。
とはいえ広告も同時に大きく表示されますし、スクロール量は確実に増えます。まあ、これについてはTwitterをさっさと辞めるのが一番ですね。 Twitterを辞められない人は縦長スマホを買っておきましょう。
続いて、ChatGPTを表示してみました。
これはZ Fold8の横幅が上手くハマり、Z Fold6/iPhone16 Proだと横スクロールが必要な表が、Z Fold8では一目で見渡せます。
一画面の情報量という意味では依然Z fold6が最も多いですが、ChatGPTとのやり取りにおける実用性では贔屓目抜きでもZ Fold8が最も優れている 、と言ってよいのではないでしょうか。
ふつうのブラウザでふつうにウェブサイトを開いた場合の表示はこんな感じ。
文字が小さいと感じる人はいるかもしれませんが、表示領域的にはやや狭いものの及第点と言えるでしょうか。
ちなみにサイトによってはPC表示で開いてしまうケースがあり、その時には手に負えない文字の小ささになります。 これは折りたたみの宿命と言うほかない挙動ですね。
とっさに被写体にできるものが何もなかった
カバーディスプレイで言うとカメラUIも面白いです。
ほとんどの場合スマホカメラで撮影する画像は4:3の比率ですが、カバーディスプレイの比率のお陰でファインダーを通じた被写体がより大きく映ります。 ボタンUI等で被写体が隠れる弊害もあるので、使いやすいかどうかは微妙なものの、私を含む一般人がふつうの写真撮影を行う上では、ダイナミックでいい感じに思えます。
ここまでは元々懸念していた”普段遣いの快適さ”を見てきましたが、この横長カバーディスプレイが本領を発揮するのはどちらかと言うとYoutube等コンテンツ消費 だと思われます。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c
Z Fold6のカバーディスプレイは勝ち目がなさすぎるのでiPhone 16ProとZ Fold8の比較ですが、例えばYoutubeの16:9の動画を全画面再生した場合、端末サイズにはかなりの差があるにも関わらず、動画自体はほとんど同じサイズになります。
当然16:9以外の比率の映像では活きてきませんが、Youtubeを見るにはベストに近い比率と言えそうです。
片倉岳人/ダイエットの知恵袋|https://www.youtube.com/@gakutoktkr/shorts
16:9以外の比率、例えばYoutube Shortのような縦型動画についてはiPhoneに及びません。というかまあ、これは対縦長画面に最適化されているフォーマットなので当然ですね……。
ちなみに、プライベートすぎて画像はないですが、インスタとの相性はすごいです 。 ストーリーはまあふつうですが、インスタの投稿画像は大体縦横比1:1なので、ちょっとインスタでは見たことのないデカさで画像が表示されます。 投稿ごとのスクロール量は増えるので一長一短ですが、面白いのは間違いないです。
まだ一日程度の試用ですが、全体的にZ Fold8のカバーディスプレイは思ったより使い勝手が良く 、なんだったらZ Fold6よりも閉じたまま”ふつうのスマホ”として使える場面が多い ように感じます。
カバーディスプレイが21:9になったZ Fold7やZ Fold8 Ultraとの比較であればまた違うかもしれませんが、少なくともZ Fold6と比較すると段違いに閉じた状態での利便性が向上しており、シーンによってはiPhoneより便利なくらいでした。 これは嬉しい誤算です。
メイン画面|すごくいい分、粗が気になる
ここからはフォルダブルの本領である開いたメイン画面を見ていきます。
こちらの画像は開封直後の状態ですが、折り目はかなり目立ちにくくなってきています。 もちろん、構造上使えば使うほど折り目は付いていくでしょうが、そもそもZ Fold6を2年使った状態でもそんなに気にしていなかったので、折り目に対する不安は全くないです(Z Fold3はさすがに少し気になった)。
フォルダブルの「折り目」
折りたたみスマホを初めて使う人にとって、一番懸念されがちなポイントかもしれない折り目ですが、実は使っていると気にならないことがほとんどだと思っています。
そもそも折り目は画面が点灯している時はよっぽどナナメから見ない限りは目視出来ないですし、実使用上気になるとすれば折り目の上を指でなぞった際に段差を感じる、程度のもので、過剰に警戒する必要はありません。
フォルダブルを所有したことがある人は大体同様の感想になるんじゃないかと考えていますが、未経験の方はぜひ店頭で折りたたみスマホを触ってみてください。店頭のスマホは相当な回数パカパカされて劣化した状態なので、その状態でも折り目が気にならなければ、あなたはフォルダブル適正があります。
※ただし、可動部が増えること、ディスプレイ面が増えることなどによる故障リスク増大はフォルダブルの場合避けられません。故障ではない、自然な経年劣化についてはそこまで警戒せず手にとっていただければと思います。
左から Z Fold6(横向き)/Z Fold8(縦向き)/iPhone 16Pro
さて、まずは各スマホを最も横に長い形にした時のウェブサイトの見え方からチェックします。
Z Fold6と8の表示領域はほとんど同じと言って差し支えないですが、8の方が文字が小さくなってしまっていますね。 設定上はどちらも同じ表示サイズ最小なものの、ディスプレイサイズに合わせて調整が入っているようです(開発者モードのDPI調整はしていません)。
とはいえ、Wikipediaのような媒体は縦長に持ち、タブレットのような形で閲覧するケースが多いので、そちらのパターンも見てみます。
Z Fold6(縦向き)/Z Fold8(横向き)/iPhone 16Pro
縦が長くなるように持つと、Z Fold8がめちゃくちゃいい ですね。 縦横比4:3のお陰で、本当に小さいタブレットで読んでいる感覚になります(比較したいiPad miniは正確には3:2寄りですが……)。
一方のZ Fold6のような折りたたんだ際に縦長になるスマホは、開いた時の形状が正方形に近づいてしまうので、思ったほど高さが出せていない印象です。
石黒正数『天国大魔境』第1巻, P.2-3, 講談社, 2018年|Kindle
さて、個人的にはフォルダブルスマホ最大の役割である、電子書籍(漫画)をチェックしていきます。 Kindleで漫画を表示した状態で、左側がZ Fold6(横向き)、右側がZ Fold8(縦向き)です。 Z Fold6は横向きにしないと見開き表示が出来ないので、基本的に開いた状態から回転させて横幅を最大にした状態同士で比較します。
石黒正数『天国大魔境』第1巻, P.2-3, 講談社, 2018年|Kindle
まず表示サイズですが、エッジトゥエッジで比較すると一目瞭然、Z Fold8(上)の方がわずかながら表示が大きいですね ! 少なくとも一般的な判型の漫画であればZ Fold8の方が大きく表示できそうです。Z Fold6では、上下に余白が生まれてしまって表示領域を少し損しています。
久部緑郎, 河合単『らーめん再遊記』第1巻, P.2-3, 小学館, 2020年|ビッコミ
一応、Kindle以外のプラットフォームも見てみましょう。 こちらはEdgeブラウザでビッコミを開いた状態ですが、こちらも一目瞭然でZ Fold8(右)の方が大きく表示されています。 大体のプラットフォームでも快適に読書出来そうですね。
……と、ここまでは比べるまでもなくZ Fold8の圧勝に思えますが、ひとつ大きな問題があります。
石黒正数『天国大魔境』第1巻, P.2, 講談社, 2018年|Kindle
言うまでもなく、この一等地に存在するパンチホール です。
Z Fold8と漫画の縦横比が噛み合っている分このパンチホールが漫画のコマに食い込むことが多く、位置としても右側センターに存在しているためにかなり気になります。
Z Fold6(横持ち)の場合、カメラは画面左上に来ます。
石黒正数『天国大魔境』第1巻, P.2-3, 講談社, 2018年|Kindle
しかし、Z Fold6のパンチホールはUDC(画面下埋め込み型)のため、一見するとどこにあるか分からない程度にはカモフラージュされています。 カメラ部分は他の画面より解像度が低いため、セリフが被ったりすると判読は困難ですが、それ以外では視覚的に気になることはあまりありません。
Z Fold7からUDCが不採用になり一般的なパンチホールになったので、薄型化やコストなど色々あるんでしょうが……正直こんなにコンテンツの閲覧に向いた端末なのに、派手なパンチホールがあるのは非常に残念です。
UDCには出来ないまでも、右上角に持ってきたり、思い切ってメイン画面からインカメラを廃止するなり今後の工夫に期待したいところですね(自撮りはアウトカメラ+カバーディスプレイで出来ますし、指紋認証が付いているのでメイン画面での顔認証も必須ではない……)。
石黒正数『天国大魔境』第1巻, P.2-3, 講談社, 2018年|Kindle
一応、苦肉の策として開いた状態で上下を反転させ、パンチホールを左下の目立たない位置に持ってくるという手段もあります。 とはいえ、開けばすぐに読める幅広形状のメリットに一手間加わりますし、電源/音量ボタンを見失いやすいので、やはり苦肉の策です。
個人的にはパンチホール以外の要素は快適な読書に向いた端末だと思いますので、なんとか慣れていこうと思いますが……これがどうしても気になる、という人は中にはいそうです。
電子書籍はこれくらいにして、コンテンツと言えば動画 も外せません。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c
ひとまず双方横長にした上でYoutubeを全画面で再生してみると、Z Fold8(左)がわずかに大きいです。 端末自体が軽いので同サイズ以上で観られるだけでも嬉しいですが、画面サイズそのものとしてはほとんど大差ない結果に。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c
全画面を解除した状態でもZ Fold8の方が大きいです(バグなのか、Z Fold6のチャンネル概要/コメント欄が消えていますが…)。
圧倒的な差こそないものの、全体的にはZ Fold8の方が良さげな結果ですが……ここにもひとつ重大な問題があります。
スピーカーです。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c
Z Fold8(黄色)と6(紫色)のスピーカーはそれぞれ画像の位置にあります。 これはシンプルに端末を閉じた際に、カバー画面の上下に来る位置にステレオスピーカーが配置されている 形ですね。
端末を閉じている時はZ Fold8/6いずれも問題ないのですが、単純に開いた状態だと、上記画像のZ Fold8のようにスピーカーが片側に偏ってしまいます。Z Fold6であれば 、横幅を最大にして16:9の動画を可能な限り大きく見る際にはどちらにせよ横向きにする必要があるので、結果的に左右ステレオスピーカーになる のですが……Z Fold8は 開いたままの状態が最も横幅が広いため、音が左側からしか聞こえない状態 になってしまう訳です。
縦型ショートを除くコンテンツの多くは16:9や21:9の横長アスペクト比が一般的なため、これはコンテンツ消費とは少し相性が悪いですね。
身も蓋もない事を言うとZ Foldシリーズの音はそもそもそんなに良くない ので、イヤホンなりをすればすべて解決します。 とはいえ、動画を大迫力で観られるデバイスが故にどうしても気になるポイントのひとつです。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c, 藤原 仁, 『図鑑に載っている野鳥171種、2年かけて探したらどれだけ見つけられるか』, バーグハンバーグバーグ, 2026|https://omocoro.jp/kiji/537118/
とはいえ悪いことばかりではもちろんなく、パスポート型特有の横幅の広さのお陰で、動画+αの画面分割との相性はかなりよいです。
けんの生活チャンネル|https://www.youtube.com/watch?v=TuzbJRbuq8c, 藤原 仁, 『図鑑に載っている野鳥171種、2年かけて探したらどれだけ見つけられるか』, バーグハンバーグバーグ, 2026|https://omocoro.jp/kiji/537118/
小ネタ的ではありますが、Galaxy Z Foldの縦型シリーズよりも快適に画面3分割が可能なので、上手くやればZ Fold8 Ultra以上の生産性を生み出すことも理論上可能かもしれません。理論上は。
また、これも小ネタですが多くのスマホ写真が4:3で撮影されていることを活かし、メイン画面でスマホ写真または動画をエッジトゥエッジで表示することが可能です。 そんなことがしたいかどうかはさておき、大迫力のナンが現れるのはちょっとおもしろいです。
パンチホールやスピーカー配置については粗探しと言えなくもないマイナス点であり、総合的にはZ Fold6よりもメイン画面の使い勝手はよい と感じています。 しかし、スクリーン体験がよい分粗が目立ってしまうのも事実で、手放しで絶賛できるほどではないかなというのが全体的な感想です。
まとめ: このフォームファクタに価値はあるか?
あります。
あったようです。
当初Z Fold8を買った動機は横長メイン画面で電子書籍がさらに快適になるのでは!?という期待でしたが、蓋を開けてみると16:10のカバースクリーンが想像よりも良かった 。
冒頭で少し触れたとおり、現在のフォルダブルは縦長カバー画面が大勢を占めていますが、パスポート型に近いモデルも過去にはありました。
← Google Pixel (初代)|Oppo Find N →
機種
カバー画面
開いたメイン画面
Google Pixel Fold 初代
17.4:9
6:5
OPPO Find N
18:9
15:14 ≒ 9:8.4
参考: Galaxy Z Fold8
16:10
4:3
このように、特に黎明期のフォルダブル市場ではカバー画面が横長気味の製品がいくつか出ています。 しかし、これらパスポート型はあまり受け入れられず、今ではPixel FoldもFind NもSamsung同様の縦長形状に変わってしまいました。
勝手に想像する受け入れられなかった原因としては、”カバー画面は慣れたアスペクト比で使いやすいが、正方形に近いメイン画面が使いにくい”、”閉じた状態がふつうのスマホに近い分、重量や持ちにくさが目立つ”などがあったのではないかと思います。
しかし、今回のZ Fold8はカバー画面を更に太らせることでコンパクト感と開いた時の使いやすい縦横比を両立しており、過去あった横長気味フォルダブルと単純に比較すべきものではない、新たな提案 になっている気がしました。
16:10のスマホを令和の時代にまともに使えるのか不安はありましたが、イマドキのアプリ/サイトの多くはレスポンシブ対応をちゃんとやっていますし(Twitterを除く)、”我慢して使う”という訳でもなくふつうにネットサーフィンが出来ます。
また、折りたたんだ状態が実際手に持っても非常に軽く、見た目から受けるコンパクト感をそのまま享受できるのも、”閉じた状態ではコンパクトスマホ、開けばミニタブレット”という体験が明確 でいい感じです。 まだ折りたたみが鈍重だったころは、見た目が小さくても重量は鈍器、のようなことがざらだったので……。
総じて、Z Fold8は使っていてかなり楽しく、生活にも馴染みそうでZ Fold6よりも気に入っています。
おまけ: iPhone Fold(仮称)は……どうする?
私はふだんiPhone 16Proをメインのスマホとしつつ、Z Fold6は主に家で電子書籍を読むためのサブとして使ってきました。 Z Fold8が想像よりもよかったので、単なるZ Fold6の代替ではなくメインの一部としても今後使っていきたいと思いますが……問題は秋に出ると噂されるiPhone Foldです。 iPhone Foldは相当なお値段になるはずですので、仮に購入した場合iPhone 16Proと交換してメイン機に据えることになります。
仮にZ Fold8と同じアスペクト比で発売されるとして、このフォームファクタが優秀なことは十分分かったのですが……メイン機として毎日持ち出すとなると、使用頻度ややること、経年劣化もサブ機とは比べ物になりません。 もっと言うと、信頼のある”ふつう”のiPhoneの地位を置き換えられるかはまだ結構不安があります。
Z Fold8の良さは、フォルダブルを継続的に出してきたSamsungの経験値によって実現されている部分もかなりあると思っており、例えば手に馴染む角の仕上げや重量配置のお陰でこのアスペクト比がより気持ちよくなっていると言えます。 その点、Appleにとって初代の端末となるiPhone Foldを例えば40万円で購入し、メイン機としてガンガン外で使っていけるか……費用的な問題と、ユーザビリティの懸念どちらも正直払拭しきれません。
とはいえ、今回Z Fold8を購入し、パスポート型のフォームファクタにはメイン機になれるポテンシャルが十分あることを理解出来たため、むしろ購入判断に際してはアスペクト比ではなく端末自体の仕上がり、完成度に着目すべきと分かったのはよい誤算でした。
おわり