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【実機レビュー】astro A30 wireless、モノはすごくいい、モノは…

あぶすとらくと

最近、Logitech(及びastro)から、astro A50 Xというハイエンドゲーミングヘッドセットが発表されました。
僕もこれが欲しいんですが、円安等々もあってか定価59,950円というヤバい価格になっているので、今回は代わりに1年半ほど使用してきたastro A30 wirelessについて長期レビューをお届けします。

ボケが

結論から言ってしまうと、ビルドクオリティは満点でソフトウェアは50点くらいのものなので、まーーあ今の値段だったら買ってもいいんじゃないかと思います。

かっこいいぞastro

昔、SONYのINZONE H9が何だか残念だったという記事を投稿しました。

nerrorist.hatenablog.jp

本当はINZONE H9をこのまま普段遣いにしたかったのですが、まあちょっと色々不満があったため、次なるレギュラーヘッドセットを追い求めて購入したのがastro A30 wireless(以下astro A30)です。

なんか箱が濡れてて…すみません

astroはアメリカのゲーミングギア会社で、2017年にLogitechLogicool)に買収されて以降日本でも製品が展開されています。

アンプ付きのハイエンドヘッドセットが有名なブランドですが、今回購入したA30 wirelessはミドルレンジ製品である「A30」のワイヤレス版となります。

なお、購入当時のお値段は約3万円と、割と高価な部類のヘッドセットです。

と思ってたんですが、現在の公式サイトを見てみたら3.8万円に値上がりしていました。

(たぶん)円安のせいで2回値上がりしたみたいです。ヤバ過ぎる。

ファーストインプレッション

箱を開けるとデカいおにぎり、その中にヘッドセットが鎮座しています。

カナブンよろしく光り輝くハウジング部のカバーがいい感じにかわいいですね。

重さはそれなりにある(342g)のですが、持った感じはかなりコンパクトです。
比較用に並べた大柄なINZONE H9(330g)と比較すると、その違いが顕著かと思います。
全体としてサイズに反してずっしり感は感じられますが、塊感のある精密な質量(?)といった感じで、私は結構好きな感触です。

ゲーミングヘッドセットなので、もちろんマイクも付属。
ブームマイクはジャックで抜き差しする取り外し式ですが、なんとastro A30は内蔵マイクも装備。腰を据えてゲームをする時にはブームマイク、ちょっとした通話は内蔵マイクといった使い分けを想定しているようです。

左からINZONE H9、astro A30、Logicool G733のもの

接続方式はレシーバーによる2.4GHzの無線、Bluetooth、有線ジャックの3通りと非常に豊富です。
レシーバーはご覧の通り非常にコンパクトで、中央のボタンでPC接続と家庭用ゲーム機の接続を切り替えることが出来ます。

”ゲーミング”製品ではありますが、光る部分は小さな電源インジケーターのみ。

私個人としては、ビカビカ光る製品であっても電池持ちのためにLEDをオフにするたちなので、このような実装は大変好感が持てます。一昔前はゲーミングデバイスといえばTHE・ゲーミングなビカビカLEDでしたが、最近はゲーミングデバイス全体が落ち着きのあるデザインに回帰してきている気がします。

操作部は電源ボタン、Bluetooth接続ボタン、マイクON/OFFボタン、音量等を操作するスティックがあります。いずれも小ぶりで邪魔にならないデザインです。

写真中央のスティックはかなり珍しいインターフェイスですね。
ヘッドセットから生えたスティックを上下に傾けて音量調整、左右でゲーム等の音声とボイスチャット音声のミックス調整、押し込みでBluetooth接続した端末のメディア再生をコントロール出来ます。

ぶっちゃけ音量の操作はよくあるダイヤル方式の方が便利な気がしますが、限られた面積に多機能なスイッチを置こうとした結果なんでしょうか。

素晴らしいビルドクオリティだが、ソフトウェアが足を引っ張る

 フィット感は超良い

元々私が長く使っていたヘッドセットは、LogicoolのG733という軽量さが売りのもの(278g)なので、それと比べると格段に重たいはずなのですが、適度な締めつけ感がそれを感じさせません。
長時間つけていても非常に楽で、蒸れ等も感じにくく優秀です。

また、デザインもミニマムかつ、上述した”塊感”のお陰か、かなりお値段(発売当初の3万円)に見合った高級感を感じます。ハウジング内の真っ赤な差し色だけは趣味じゃないですが、まあ誰に見せるでもないので…。

 音質は多分良い

分かりません。

いや、音系ガジェットすべてで言っていますが、私は別に耳ソムリエ(耳のソムリエ)ではないので、評価できません。
ただ、普通にFPSをする、Youtubeを見る、ストリーミングで音楽を聴く、すべて過不足なくこなせるので、少なくとも不足はないと思います。

ちなみにINZONE H9で激しく不満だったシステム音(電源投入等)の無機質さ、という難点は解消されました。いや、ここはINZONE H9の方がおかしかったな…。

なお、マイク性能については可もなく不可もなくといった印象です。ただ、内蔵マイクはかなりくぐもった声が聞こえていたようで、非常用程度に捉えておくのが良さそうです。

 機能性は難アリ

INZONE H9のレビューでも挙げましたが、昨今のハイエンドヘッドセットの標準装備となりつつある無線(レシーバー)とBluetoothの同時接続はやはり便利です。
本体で通話が出来ないSwitchでのボイスチャットは言わずもがな、ゲームをしながら音楽を聴く…といったマルチタスクにも快適に対応します。

……が、astro A30の欠点は機能性にあります。

astroはLogicoolから発売されているので、本当ならLogiユーザーに馴染みのあるG HUB(Logicool製品を一括制御するPCアプリ)で制御したいところ。

ところが、astro A30はG HUBに対応しないどころか、モバイルアプリのLogicool Gでしか制御出来ません

iOSアプリのスクショ

Logicool Gの画面はこんな感じ。
クリーンで分かりやすいといえば聞こえはいいですが、率直に言って機能が貧弱すぎます。しかもこれを使うためにはモバイルデバイスとのBluetooth接続が必須なので、やる気も出ません。

また、恐らくこれのせいで、前述のスティックを使用したメディアの一時停止/再生等がスマホでしか機能しません。G HUBさえ使えれば、多種多様な機能を各スティックに割り当てて便利に使えそうなのに…もったいない。

ギリギリ音量調整はPCでも出来るので致命傷にはならないんですが…。

 多分、バグ

恐らくモバイルデバイスの縛りに関連して、Bluetooth接続とPC接続を併用していると、時々ヘッドセットの音量が最大になります。
iPadBluetooth接続をして、PC接続でYoutubeを見ていたりするとまーーーーじで耳が破壊されます。最悪です。

経験則的には、Bluetooth接続しているデバイスをスリープにしたタイミングで発生しがち。結局1年半使ってもファームウェアアップデート等は当たらず、残念でした。

カスです

まとめ: 1.7万円なら買ってもいいけど、もっといいものもありそう

確実にモノは優れているのですが、微妙すぎるソフトウェアのせいで価値を落としている製品だと思います。

恐らく、モバイルデバイス中心のエコシステムとすることで、PCゲーマー以外の需要も取り込み、よりカジュアルに使ってもらおう…というコンセプトなんだとは思います。その結果として、ゲーミングらしからぬデザインや持ち運び用ケースの同梱、シンプルなモバイルアプリケーションのみのシステム等になったんだと推測しますが…少なくとも私には刺さりませんでした。

また、いくら(比較的)カッコいいとはいえ、外でヘッドホンを使い、PCゲームをあまりしない層が、わざわざゲーミングヘッドセットであるastro A30を選ぶかも疑問です。そういう人は、普通にBOSESONY辺りのリスニング専用ヘッドホンを買うんじゃないですかね。

ゲーミングデバイスとして無理のあるコンセプトのせいで、ゲーマーにも非ゲーマーにも刺さりにくい製品になってしまっている気がします

 

なお、冒頭で円安のせいで価格が爆上がりしているとお伝えしたastro A30ですが、実は発売からの経過年のせいか、実勢価格はかなり底の方を彷徨っています。

なんだかんだ私も1年半使いましたし、ハードウェアは素晴らしい出来なので、このお値段なら全然アリだと思います。

ただ、発売から1年半が経ち、”ゲーミング”としても、”リスニング”としても同価格帯でもっと優れた選択肢が多々ありそうなのが悩ましいところですね。

 

nerrorist.hatenablog.jp
完璧かもしれないヘッドセットの話もしているので、こちらもよろしければ…。

 

おわり