悩みに悩んでKeychron K8 Proの日本語配列を買いました。
新しいキーボード探しの日々
これまでは、以前レビューにも取り上げたLogicoolのMX Mechanical Miniの青軸をメインのキーボードとして使用していました。
社用PCにもBluetoothで接続出来るし、(LEDを消灯すれば)バッテリーもかなり持つので気に入ってはいたのですが、どうしても75%キーボード特有の右列のキーに慣れることが出来ませんでした。
手元をじっくり見れば回避出来るのですが、ちょっとフォームを崩して入力しているとエンター、バックスペースでめちゃめちゃに誤爆してしまいます。
青軸のカチャカチャ感にも少し飽きてきていたので、新しいキーボードを探すことにしました。
新しいキーボードを探すに当たってのひとまずの要件は以下のような感じ。
- テンキーの無いレイアウトであること
- 無線接続でプライベートPC(win)、社用PC(win)に接続、また両者の接続を切り替えられること
- タッチ感に優れていること(青軸以外が望ましい)
- JISキーボードであること
- 社用PCで使用するため、PCの常駐アプリケーションに依存しないカスタマイズが可能であること
特に今回ネックになったのは4番です。
個人的にはUSキーボードの方がタイピングしやすいのですが、社用のノートパソコンがゴリゴリのJISキーボードなのでこちらに合わせる必要がありました。
Windowsはアホで愚鈍で間抜けなので(でもそんなところがかわいい)、Windows内部のキーボード配列を1種類しか記憶出来ません。
どういうことかと言うと、JIS配列のノートパソコンにUS配列の外付けキーボードを繋ぐと、内部的にはJISとして処理されるのでそのままだとUS配列キーボードに書いてある記号と、入力される記号が異なってしまうのです。じゃあ、と内部のキーボード設定をUS配列にすると、次はノートパソコン備え付けのJIS配列キーボードでタイピングした時に同様の矛盾が生じます。
しかも、内部の配列切り替えの度にPCの再起動が必要と、とても実用的ではありません。常に外付けキーボードを用いて社用PCのタイピングをするのであれば内部の配列もUSに限定してしまえばいいんですが、それは現実的ではないので…。
という訳で、デザインは野暮ったくなりますが渋々JIS配列のキーボードを探します。
候補を挙げる
とりあえずパッと探していくつか候補を見つけました。
HHKB
筆頭はまずこれ、みんなの憧れHHKBです。
ちょうどAmazonのポイント還元セールで2000円引きになっていたので、それもあって候補に入れました。
やはり静電容量無接点式のフィールと、ベテラン感のある特殊配列には興味があり、その上無線対応、JIS対応とかなり強力な選択肢でした。
一方で、どうしてもHHKB特有の配列になってしまうので社用PCとの併用には苦戦間違いなしな上、3万5千円という価格がお試し気分の人間には気になります。
Realforce R3
次点はRealforce R3。
HHKB同様の静電容量無接点方式で、日本語配列高級キーボードの代名詞的存在です。
これもAmazonでセール中かつHHKBよりかなりこなれた価格で良い選択肢だったんですが……今回はデザインで却下しました。
Realforceはどのモデルもちょっとキーボードの余白が広くて野暮ったいんですよね…ThinkPadチックなRealforceのロゴもあまり気に入らず今回は見送りです。
Varmilo
続いて、Varmiloという中華系のキーボードです。
静電容量スイッチにメカニカルスイッチを組み合わせたVarmilo独自キースイッチを採用しており、静電容量無接点の耐久性とメカニカルスイッチのタイプ感を両立している…という魅力的な触れ込みが目を引きます。
国内正規代理店が存在し入手性が高く、JISキーボードも豊富なデザインのラインナップがあります。
……が、VarmiloのJISキーボードは現状有線モデルしかありませんでした…。
USであれば無線モデルもあるので油断していましたが、泣く泣く次のキーボードを探しに行くことに。
Keychron
ここで候補に上がってきたのが、Varmilo同様国内に代理店がある中華系キーボードメーカーのKeychronです。
私は寡聞にして名前を知らなかったのですが、国内のキーボード界隈ではここ数年かなり人気のあるメーカーのようで、JISキーボードも多数展開しています。
同社のラインナップは主にQ、V、K、Cの4シリーズで構成されており、それぞれ以下のような特徴があるようです。
- Q: 同社のフラッグシップシリーズ。キーアサインの高度なカスタマイズとクオリティが魅力だが、有線モデルのみ。
- V: Qの廉価版でキーアサインのカスタマイズが売り。
- K: Bluetoothを用いた無線モデルが存在する。ただし、キーアサインのカスタマイズ機能が無い。
- C: 最廉価ライン?すみません、よく分かりません…。
どのシリーズも共通してキースイッチを(比較的)簡単に交換できるホットスワップという機能に対応しており、キーキャップのみではない幅広いカスタマイズが可能です。
で、同社のラインナップと今回の要件を照らし合わせると、選択肢はKシリーズしか無いように思えますが…。
ありました。答えが。
Kシリーズではありますが、K Proラインとしてカスタマイズにも対応した「Keychron K8 Pro」です。しかも、なんとK proラインとして現状唯一日本語配列があります。
これで要件が全て満たされました。
- テンキーの無いレイアウトであること : テンキーの無い80%レイアウト。私がWindowsでよく使うDeleteも押しやすい!
- 無線接続でプライベートPC(win)、社用PC(win)に接続、また両者の接続を切り替えられること: 最大3デバイスまで接続・切替可能
- タッチ感に優れていること(青軸以外が望ましい): Cherry互換のGateron G Proというキースイッチを採用。ビルドクオリティも問題なしで音も良さそう
- JISキーボードであること: 完璧
- 社用PCで使用するため、PCの常駐アプリケーションに依存しないカスタマイズが可能であること: VIAというカスタマイズソフトが使用可能で、キーボード内の記憶領域に書き込むタイプなので社用PCでも問題なく使える
勝ったな!ガハハ!風呂入ってくる。
ファーストインプレッションとその他
風呂入ってる内に届いてました。
うーん、デザインも可愛いしやっぱり新しいキーボードはアガりますね。
キーキャップをPBTに交換
…ところで、風呂に入ってる最中に気がついたんですが、このキーボード、キーキャップがABSでした。
正確には、「Keychron K8 Pro」はPBTキーキャップですが、日本語配列だけはABSキーキャップなのです。
いや、極東の島国で使われるローカル言語に対応したキーボードを出してくれるだけでありがたいですが、PBTだと思っていたものがABSなのはちょっとしょんぼりします。
要するにキーキャップの材質です。
どちらもプラですが、ABSは成形が容易な分ちょっと軽く、キーキャップとして使われる時には軽めのカチャカチャした手触り・打鍵感になります。
PBTは成形が少し難しく高コストですが、比率がABSより重いのでしっとりした手触りと打鍵感になると言われています。
私はキーボードのオタクではないのでにわか知識ですが、まあ多分こんな感じ。
ただ、JISキーボードでPBTのキーキャップを見つけるのは至難の業で、インターネットの先駆者達もかなり苦労しているようです。
特にKeychron K8 Proはスペースキーのサイズが4.5Uと呼ばれるサイズ(アルファベットキーを1とした場合、4.5個分の横幅を持つ)で、これのPBTキャップが世界を見ても本当にレアです。
とりあえず、JIS配列のPBTキャップの内、ほとんどデファクトスタンダードと言える米コルセアの「PBT DOUBLE-SHOT PRO」を購入。サイズが合わないその他のキーについては一旦見て見ぬふりをすることにします。
もう一度風呂に入っている最中に届いたので、早速取り付けていきます。
これが…
こう。
コルセアのキーキャップはファンクションキーの他スペースキー以外の機能キーもサイズが合うのですが、見た目のバランスを考えて中央部だけを変更しました。あんまりコルセアキーキャップのフォントが好みではないものの、余計なかな表記が無くなってかなりかわいい感じです。
付属の静音リングも挟み、ABSよりかなり落ち着いた打鍵感になりました。キーボードの素人の私でも明らかに違いを感じるので、これくらいの加工は興味のある人にはおすすめできます。
おわりに
キーボードそのものに関しては下馬評通りビルドクオリティも高く、静音加工がかなりされているのかABSキーキャップであってもコトコト良い音が鳴ります。Gateronの赤軸もかなりいい感じですね。静電容量無接点とはまた違う心地いい手触りです。
先述の通りBluetooth接続も使えますが、有線接続でも使用可能なので普段は私用PCと有線で接続しながら充電しておき、社用PC、iPadと接続する時にはBluetoothで運用するような形で考えています。
何より、キーキャップ変更も含めてマイクロDIY気分で楽しい!
ある程度良いキーボードが欲しいけれど、深遠すぎるキーボード沼に本格的に挑むのは怖い、という人にはかなりおすすめの素晴らしい製品です。