インターネットから栄養を得ているオタクの皆さん、こんにちは。ここを見ているということはきっと引っ越しを検討しているのでしょう。
ここでは主に身内オタク向けに、インターネット固定回線についてなるべく平易に詳しく解説しようと思います。
ゲームやTwitter、dアニ、Twitterなどを高速回線で𝑃𝑙𝑎𝑦するオタクくんにとって固定回線は水道よりも重要なインフラですが、その実固定回線は意味不明な契約と小難しい技術用語が絡み合った魔窟のような業界となっています。
オタクくんがそんな魔窟でわるい業者に騙されたら悲しいので、順を追って固定回線の選び方を説明していく所存です。かなり長くなると思いますが、必要な部分だけを読んでもらえると幸いです。
- ①新居が決まったらまずやること
- ②回線事業者を選ぶ
- ③回線事業者を選ぶ パート2
- ④プロバイダを選ぶ
- プロバイダ選びのあれこれ
- ⑤申し込むぜ
- ONUとルーターの関係
- ⑥ルーターの購入
- ⑦工事・開通
- ⑧おしまい
※固定回線は紹介インセンティブが大きいので、全般的な回線の解説かと思いきや特定の固定回線に誘導するサイトが世に跋扈しています。この記事は完全ノンアフィで僕の偏見に基づいて解説していくので、安心してくださいね(?)
※それと、本記事では”アパートへの入居”に限定して話を進めます。なぜなら、オタクくんが所帯を持って戸建てに引っ越すことなどありえないからです。長くなりすぎるしね。
①新居が決まったらまずやること
部屋選びの段階でも構いませんが、まずは入居する物件の既存設備を確認しましょう。管理会社、不動産屋に聞くのが早いですが、正直不動産の人が固定回線事情に精通しているとは限らないので気をつけましょう…。
大きく分けて、アパートの場合以下のような状態であることが多いです。
- a. 部屋内まで既に固定回線設備が導入されている(部屋に光コンセントがある)
- b. 部屋内までは導入されていないが、物件には固定回線用設備がある
- c. 部屋にも物件にも既存設備が無い
- d. 既に光回線が引き込まれ、家賃の一部等に光回線料金が組み込まれている
この内、dの方はここでおしまいです。大家や管理会社が既に光回線をサービスとして入居者に提供している場合、独自契約は不可能ではないものの、特に賃貸では難しい場合が多いです。往々にしてそういった場合はあまり帯域に余裕のない回線が強制的に契約されているので、快適な環境かどうかはなんとも言い切れないですが、とにかく入居直後から固定回線を使えるわけです。おめでとうございます。独自契約については管理会社と相談して下さい。
以降、a~cの方について、順を追って説明します。
①-a 部屋に光コンセントがあり、回線が引き込まれている場合
まずはその光コンセントがどこのものか確認しましょう。
固定回線には大きく分けて3つの派閥があります。
NTTの提供するフレッツ光、KDDIの提供するauひかり、そしてSONY系列のNURO光です。
この3社は固定回線の設備を独自に整備しているため、互換性が一切ありません。なので、その部屋に引かれている既存設備がどこのものか確認する必要があります。
ちなみに、「フレッツ光の既存設備があったけど、俺はNUROがいいんだよな~」なんて場合も対応可能です。②に進みましょう。
①-b 部屋には設備が無いが、物件には固定回線用設備がある場合
物件の共有部分までは設備があるが、そこから部屋まで引き込むかを入居者に委ねている物件は多いです。
これは割とスムーズに契約しやすいタイプなので、気楽に次へ進みましょう。
①-c 部屋にも物件にも既存設備がない
これは戸数の少ないアパートや、古い物件に多いです。後述する”マンションタイプ”の契約条件を満たしていないか大家・管理会社がそういうサービスに全然興味がない、あるいは固定回線を引きたいと言い出した入居者が歴史上あなただけだった、そういうパターンです。
固定回線を引くのは割と茨の道ですが、全く不可能ではありません。諦めず次へ進みましょう。
ただし、その前に管理会社等に固定回線を個人で導入しても構わないか聞いておきましょう。大体の場合、外壁に穴を開けなければOKなはずです。断固ダメと言われたら今すぐ次の物件を探して下さい。
②回線事業者を選ぶ
1の項でだいたい自分がどの属性に所属するか理解出来たと思うので、次のステップへ進みましょう。次は回線事業者選びです。
ここで重要なのは、「回線事業者」と「プロバイダ」は異なる、という点です。
イメージとしては水道を提供するのは水道局(回線事業者)だけど実際に水を出すのは蛇口(プロバイダ)…って感じでしょうか。いや実際の役割はぜんぜん違うんですけど、とにかくイメージとして回線事業者が固定回線のインフラ整備を行い、プロバイダはその先の顧客サービスを担当している認識で充分です。
回線事業者として一般消費者がお世話になるのは、基本的にNTTの提供するフレッツ光、KDDIの提供するauひかり、そしてSONYの影響下にあるSo-net提供のNURO光の3つのみです。
これら契約回線事業者に基づき、各プロバイダを選択します。
非常に紛らわしいですが、Softbankの提供するSoftbank光などはあくまで「フレッツ光をベースとしたプロバイダ一体型商品」であり、回線事業者はNTTとなります。
要はNTT、KDDI、So-net(NURO提供会社)からしか回線事業者は選べないと思って構いません。
さて、前置きが長くなりましたが回線事業者選びです。
a,b,cすべての場合において、入居する物件にサービスを提供している回線事業者としか契約は出来ません。なので、まずは各事業者のサービスエリアを調べましょう。
- NTT東日本 (住所選択|提供エリアの確認|NTT東日本フレッツ公式 (flets.com))
- NTT西日本 (サービス提供エリア確認・お申し込み | フレッツ光公式 | NTT西日本 (webcgi-west.jp))
- auひかり (提供エリア検索 | インターネット回線 | au (kddi.com))
- NURO光 (サービス提供エリア拡大中 | NURO 光)
入居先の郵便番号を入れて、色々出てきたことと思います。
ここからは部屋のパターン別に解説しましょう。
②-a
既存設備があったあなたの物件は、間違いなく上掲のエリア検索のどれかで物件名までヒットしたことでしょう(まあ、しない場合もありますが)。
例えば部屋にある既存設備がNTTのもので、NTTのエリア検索で物件名までヒットした場合、あなたは「マンションタイプ」のフレッツ光回線を契約可能な見込みが高いです。
auひかり、NURO光の場合も「マンションタイプ」が契約可能かの表示は必ずあるので、確認しておきましょう。
なお、ここでマンションタイプに非対応の場合、「戸建て向けタイプ」で契約する必要があります。その場合、cの部屋タイプを参照して下さい。
②-b
物件に既存設備があったあなたの物件も、上掲のエリア検索のどれかで物件名までヒットしたものと思われます。
aの部屋タイプ同様、NTTのエリア検索で物件名までヒットした場合、あなたは「マンションタイプ」のフレッツ光回線を契約可能な見込みが高いです。
auひかり、NURO光の場合も「マンションタイプ」が契約可能かの表示は必ずあるので、確認しておきましょう。
※bのパターンの場合、マンションタイプに非対応ということは考えにくいですが、万が一ここでマンションタイプに非対応であれば「戸建て向けプラン」で契約する必要があります。その場合、cの部屋タイプを参照して下さい。
②-c
ハードモードのあなたの場合、上掲のエリア検索で物件が出てこないか、そもそも番地の枝番が無かったりすることでしょう。あるいは、マンションタイプ非対応と言われるかもしれません。かわいそう。
※出てきた場合はおめでとうございます、気が付かなかっただけで既存設備があったのかもしれません。bの部屋タイプも同時に参照して下さい。
この場合、個人で戸建てプランを契約して回線を引き込むことになります。
料金はマンションプランよりも高くなりますが、回線速度はマンションプランよりも早い事が多いので、まだ発狂せずとも大丈夫です。
全ての回線事業者にはマンションタイプと戸建てタイプがあります。
マンションタイプはその名の通り、集合住宅向けのプランです。簡単に言うとマンションの特定設備に回線を引き込み、そこから各部屋へ回線を引き込んでもらう形式となります。仕様上月額料金は安くなりますが、帯域を集合住宅の住民でシェアするため、時間帯や利用率によっては回線速度が低下します。また、マンションタイプには回線事業者の設備を集合住宅へ導入する必要があるので、入居者の一存では加入できず、大家や管理会社の協力が必要となります。
戸建てタイプは戸建て向けタイプです(なげやり)。一戸建てのみならず、マンションタイプの対象とならない戸数の少ない集合住宅などではこれで契約せざるを得ません。加入者が独自に契約するものなので、管理会社の許可があれば集合住宅でも契約可能です。料金がマンションタイプよりも高い一方、帯域をシェアする相手は少ないので回線速度が上下しにくいです。
先程、
回線事業者として一般消費者がお世話になるのは、基本的にNTTの提供するフレッツ光、KDDIの提供するauひかり、そしてSONYの影響下にあるSo-net提供のNURO光の3つのみです。
と書きましたが、これは不正確です。実際には他にも
といった独自の回線事業者が存在しています。
しかし、これらの多くは地方の電力会社系回線事業者であり、一部地域でのみサービスを展開している場合が殆どです。
よっぽどの事がない限りわざわざこういった事業者を選択する意味は無いため、この記事では解説する回線事業者をNTT、KDDI、So-netに絞っています。
もしもこれらの回線事業者を使用したい場合は各自でよく調べるようにしましょう。
③回線事業者を選ぶ パート2
2の項で自分が選べる回線事業者の選択肢が明らかになりました。ここからは具体的にどこの回線事業者と契約するかを検討しましょう。
各事業者の特徴を簡単に説明します。
- NTT(フレッツ光):事業者としての歴史が長く、対応エリアが広大。利用者が多いため、過密地域では帯域が圧迫されて低速になる場合がある。一部地域では最大10Gbpsに対応したサービスも展開している。また、プロバイダの選択肢が非常に多い。
- auひかり:フレッツ光ほど利用者が多くないので、帯域に余裕があり比較的高速(と言われがち)。こちらも5Gbps、10Gbpsに対応したサービスを展開しているが、NTTほど利用可能エリアが広くないので注意が必要。プロバイダの選択肢は少なめ。auのモバイルプランを契約してるなら割引とかあるのでは。よく知らんけど。
- NURO光:ゲーマー向け高速回線として知っている人も多いはず。これも独自回線なので帯域の圧迫は少ないが、個人的には本人が言うほど速くも無いと思う。ただし標準プランでも最大2GbpsとNTT、KDDIを上回る速度に対応しており、最大10Gbpsプランの展開も早かったので速度へのこだわりはあるはず。対応エリアが限定的、工事が遅い(インフラ整備が途上なのに人気なため)な点に注意。プロバイダの選択肢は一切無い。
大体こんな感じでしょうか。
ここについては料金やプランの選択肢が色々あるので、各HP等で情報収集をしておくのをおすすめします。
ただし、全体的に「最大○Gbps!」という謳い文句は過信しない方がいいです。あくまで記載の数値は理論上の最速値であり、実際はその地域/アパートの複数人で帯域をシェアすることになります。
正直、回線速度については運次第な部分が大きいと個人的には感じていますが、もちろん高速プランの方が比較的有利なのはまあ、そうだと思いますので、ここは各個人で取捨選択をして下さい。
ちなみに私はフレッツ光を基本的に使います。インフラ整備に一日の長があるのは長期利用に当たってのメリットですし、プロバイダの選択肢も多いからです。
逆にプロバイダ選びが面倒な人はauひかりやNUROがおすすめかもしれません。
なお、aの部屋タイプの方で部屋に引き込まれている回線と別の事業者を使用したい場合、戸建てプランの契約を検討するか、工事時に既存回線を使えるか確認する必要があります。部屋の既存設備と同一事業者を使用する場合は現地工事不要の場合がほとんどですが、こだわりたいのであればここでひと手間必要な点に注意して下さい。
④プロバイダを選ぶ
ここまで来ればあと少しです。
プロバイダは前述の通り、回線事業者を水道局とした場合の蛇口に近い働きをするものです。実際の回線速度はこのプロバイダに依存する場合も非常に多いので、慎重に選びましょう。
とは言え、auひかりの場合プロバイダの選択肢はごく僅かですし、NUROに至ってはプロバイダと一体型のサービスなので選択肢はありません。なので、ここでプロバイダを考える必要があるのはフレッツ光を選択した方がメインとなります。
なお、この記事で星の数ほどもあるプロバイダを説明するのは絶対に不可能なので、ここでは簡単にプロバイダ選びの肝を解説するに留めます。
NUROに心を決めた方には一切関係ないので読み飛ばして下さい。
プロバイダ選びのあれこれ
まずは、IPv6サービスに対応したプロバイダを選びましょう。技術的な部分を解説するとガチで大変なので端折りますが、まあ既存のIPv4を人のいる料金所としたらIPv6はETCです。
↑これ全然嘘なんですけど、現状の理解としてはとにかく高速化するから最高って感じでいいです。詳細が気になる方はググって下さい。
IPv6に未だに対応していないプロバイダは少ないと思いますが、時々IPv6オプションが有料のところがあるので、基本無料でIPv6を利用出来るとこを選びましょう。BIGLOBEやOCNなど…。実はIPv6の対応方式にもプロバイダごとに色々派閥があり、それによってルーター選びに影響したりもするのですが…ただこれに手を出すと本当に途方も無い魔窟なので、IPv6対応を謳っていれば大体大丈夫です。
また、プロバイダで差異が大きいのは料金です。確か基本料金だけならexcite辺りが最安だった気がしますが、安い=それだけ利用者が多い=低速化リスク・サポートのリスクがある、ということなので、ここも取捨選択です。
※ちなみにexiteはIPv6非対応だったはずです。
結論としてはIPv6が利用可能で、自分に見合った料金のところを選ぼう、という感じですね。
ちなみに一昔前は回線事業者とプロバイダを個別に契約し、それぞれに料金を払うのが一般的でしたが、最近は「光コラボ」と称してプロバイダが回線料金とプロバイダ料金を一本化するプランが多いです。まあ事業者とプロバイダを別に契約するのとそこまで変わらないので気にする必要はあんまりありません。総合的に有利な契約を選びましょう。
auひかりの場合は…すみません、よく分かりません。IPv6は標準装備なので、キャンペーンとか口コミとかで上手く選べばいいんじゃないでしょうか、たぶん。
⑤申し込むぜ
決めた回線事業者、プロバイダに申し込みましょう。プロバイダの提供する光コラボ商品であればプロバイダ経由の申し込みだけで済みます。
申込みの際は「契約期間」に注意して下さい。固定回線業界は未だに旧態依然とした2年縛り、3年縛りを前提としています。あなたがその部屋を借りるであろう期間に合わせて縛り期間を考慮しないと、場合によっては違約金が発生します(総務省くんもモバイル業界にばかり注目しないで、固定回線に少しでも興味を持って欲しいものです)。
現地工事が必要な場合、1週間~1ヶ月は待たされるので、入居前に申し込んでおくことをオススメします。もちろん管理会社にも工事を入れる許可を取っておきましょうね。
申込みの際オプションを色々打診されると思いますが、それはあなたの必要性に応じて検討して下さい。ただし、一つだけ重要なオプションがあります。
これは何も言わないと基本的に強制で押し付けられますが、フレッツ光の場合月額500円のオプション料金がかかります。
そして、自前のルーターを使用したい場合これは絶対に断らなくてはいけません(逆にルーターは何でもいいし、検討も面倒くさいぜという方はレンタルしましょう)。
このオプションを正確に理解するためには光回線の終端装置について説明が必要です。よく理解されている方は次の項を飛ばして下さい。
ONUとルーターの関係
ONUは光ファイバーの中を通るデータをデジタル信号に変換する装置で、「光回線終端装置」とも呼称されます。「モデム」という言葉を聞いたことのある人は多いと思いますが、両者は似たような役割を持つ異なる装置です。モデムは電話線の信号をデジタル信号に変換し、ONUは光回線の信号を変換する装置となります。
ONU、モデム共に光回線事業者から借用する装置であり、自前での用意は出来ませんし、してもほとんど意味がありません。
一方、光回線をwifiに変換したり、有線LANとして分岐させる「ルーター」については自分で用意出来ます。ONUから先の装置ですね。
NTTの場合、ホームゲートウェイと呼ばれるONUとルーター一体型の装置をレンタル可能です。
こういうやつですね。性能は別に悪いわけではないですし、ひかり電話等にもそのまま対応出来る装置です。
しかし、自前のルーターを使いたい場合この装置は不要です。ONUのみのレンタルであればNTTではレンタル料金はかからず、仮に今後光回線を乗り換えたとしても自前のルーターを使い続けることが可能です。
と、いうわけでこのオプションを受け入れるか、断って自分でルーターを用意するか検討する必要があるのです。
⑥ルーターの購入
自分でルーターを用意する場合、慎重に検討しましょう。
あまりにも長くなるのでここでは端折りたいと思いますが、IPv6に対応したルーターを選ぶ必要があります。
しかも、プロバイダごとにIPv6の仕様が異なるので、選んだプロバイダの方式に対応するルーターが必要です。
面倒くさい…。
一応一般論としてのおすすめメーカーを書いておくと、総合力が高いASUSと、IPv6・wifi6対応のフレキシブルさ、コスパが強みのTP-Link辺りです。国産メーカーは超ハイエンド製品ならまだしも、普及価格帯の製品は正直割高な印象があるので僕は使っていません。
⑦工事・開通
事業者に現地、遠隔問わず工事をしてもらえば光回線はいよいよ開通です。これで好きなだけTwitterが出来ますね。
え?色々な事情で物理的に工事が出来なかった?調査チームにも来てもらったけど無理?
かわいそうに…。今すぐ引っ越すか、下の記事を参考に限界インターネット環境を構築して下さい。
⑧おしまい
駆け足で解説しましたが、どうでしょう?光回線は契約できそうですかね…?私の経験値的にフレッツ光に偏った内容になってしまっているのは申し訳ないです。auひかり、NURO光では異なる内容となることも多いでしょう。
固定回線の契約は本当に複雑で分かりにくく、またその分かりにくさにつけ込んで微妙な契約を結ばせる業者も残念ながら一定数います。
上掲のことを全て理解する必要はありませんが、ある程度の基礎知識をつけた上で契約を考えましょう。
説明していないこと、正しくない理解もあるかと思いますが、質問・ご指摘があればいつでもどうぞ。
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